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KDDI株式会社

 様に導入

スマートフォンなどに対するお客様の疑問に迅速に答えるために、SharePoint Server 2010 for Internet Sites を活用して 「au Q&A プラス」などのサイト制作を一元化。

KDDI株式会社

KDDI株式会社

KDDI株式会社では、スマートフォンの普及に伴い、お客様サポートへの問い合わせが急増し、コールセンター業務に負担がかかっていた状況を改善するために、お客様視点に立ったシステム改善計画「コンシューマー フロント プロジェクト」を実施。Microsoft SharePoint Server 2010 for Internet Sites と IT パートナーが提供する共通 API を併用することで "コンテンツの一元管理" と "複数チャネルへのコンテンツの一括供給" を可能にするコンテンツ管理システムを構築。Q&A コンテンツの供給を効率化することで、「想定以上」の導入効果を得ています。

<導入の背景>
お客様が望む「自己解決」実現のために、スマートフォンのサポート情報公開を迅速化

スマートフォンやタブレット端末など、多種多様なモバイル端末をサポートしている KDDI株式会社 (以下、KDDI) では、近年 1 つの課題を抱えていたと言います。それが、スマートフォンの急激な普及に伴う、お客様からの問い合わせ数の増加とサポート時間の長期化でした。
そこで 2011 年に KDDI では、お客様のニーズを起点としたシステム構築を図り、お客様満足度の向上を促進するプロジェクト、「コンシューマー フロント プロジェクト」をスタートさせました。KDDI 技術統括本部 情報システム本部 フロント系システム部 コールセンター系グループリーダー 課長 矢舗 達二郎 氏は、次のように説明します。
「コールセンターには各種スマートフォンについて、しっかりとしたマニュアルが整理されているのですが、限られたボタンで操作するフィーチャーフォンとは違い、口頭でご説明するのに時間がかかってしまいます。そのため、次のお客様に電話口でお待ちいただく時間も増えてしまっていました」。

KDDI株式会社
技術統括本部
情報システム本部
フロント系システム部
コールセンター系グループリーダー
課長
矢舗 達二郎 氏

KDDI株式会社
技術統括本部
情報システム本部
フロント系システム部
コールセンター系グループ
課長
鈴木 基男 氏

お客様にストレスを感じさせないよう、コールセンターの効率的な運営に最善を尽くしている KDDI にとって、通話口でお客様をお待たせする状況は不本意なものでした。
しかも、スマートフォンを利用されるお客様が、インターネットで情報を確認して問題の解決を図ることを望まれているという結果も出ており、Web 上に公開する Q&A コンテンツの充実を図ることが急務とされていたのです。

こうした状況を背景に、「コンシューマー フロント プロジェクト」がスタートしたと、矢舗 氏は続けます。
「これまでのシステム構築では、社内のシステム ユーザーから要望を受けて要件定義することが常でしたが、今回は違います。Web を通じて自己解決を望まれる多くのお客様の視点に立って、より早く、分かりやすい情報供給を行うことを考えていました。そのために、もっとも重要なことが『新製品を手にしたお客様が問題や疑問に直面した時に、Web で検索すれば、すぐに解決策にたどり着けるようにする』でした」。

KDDI のコールセンターには、携帯電話などのデバイスに関してお客様が直面されている疑問や問題のほぼすべてが寄せられています。KDDI では、このコールセンターでのオペレーターの応答内容などを録音したデータから問合せ頻度の多いキーワードと、その詳細な内容を把握し、社内ポータル (K-navi) お客様コンテンツを作成してきました。
しかし、「そのスピードが、今まではお客様のニーズに追いついていなかった」と、同 コールセンター系グループ 課長 鈴木 基男 氏は言います。
「コンテンツの作成については、オペレーター向けや、一般公開用など、複数のチャネルに対応したシステムがそれぞれ独立しているため、全社的にコンテンツ作成に非常に手間と時間がかかっていたのです」。

そしてもう 1 つの課題が、サイトの作成や更新を外注すると、どうしても余計な時間がかかってしまうことだったと、矢舗 氏は言います。
「今まで、Web コンテンツに関しては Web 制作会社へ外注していたのですが、何日かかけてページを作成してテストサーバーに展開してもらい、そこから確認のプロセスを進めていくために、やはり時間のロスもありました」。
そこで KDDI では、お客様のニーズにあったコンテンツを少しでも早く応えるために、Q&A サイトなどの制作を内製化することを計画。「時間のロスを減らして効率的に運用できること」を最重要事項として複数のソリューションを比較検討した結果、新たな「au Q&A プラス」を支えるプラットフォームとして同社が選択したのが Microsoft SharePoint Server 2010 for Internet Sites でした。

<システム概要>
複数のフォーマットの原稿からコンテンツを一元的に作成し、複数のチャネル向けに一括供給

Microsoft SharePoint Server 2010 for Internet Sites は、Web コンテンツの作成から公開、廃棄まで一連のプロセスをサポートすることが可能です。サイト内の全文検索機能や入力フォーム機能、そしてパーソナライズ機能を備えており、さまざまな用途に対応した Web サイトを運用することができるようになっています。

鈴木 氏は、SharePoint Server 2010 for Internet Sites 採用に至った最大の理由は、「複数のフォーマットで作成した原稿からコンテンツを作成できる利便性」にあると話します。
「他の製品も検討したのですが、最大のポイントは、SharePoint Server ならば Excel や Word はもちろんのこと、動画でも PDF でも CSS ファイルでも、そのままコンテンツとして登録できるということでした。たとえば、新しい Q&A を作成する場合でも、コンテンツ内容によって Word を使う担当者もいれば、Excel の方がいいという担当者もいます。ここはソフトウェアに縛られずに作業できた方が効率はいいです。マルチソースで作成したコンテンツをそのまま登録できることが、より少ない作業で公開できることになりますので大きな意味を持っていました」。

そして、KDDI ではマルチソースで作成されたコンテンツをまとめて管理できる SharePoint Server 2010 for Internet Sites に加えて、「au Q&A プラス」や社内ポータルの「K-navi」、お客様サポート担当者が活用するアプリケーションなど複数のチャネルに向けてコンテンツの変換、供給を行う共通 API を採用。非常に効率的なコンテンツ管理システムを完成させています (図参照)。

たとえば、このコンテンツ管理システムに登録されたコンテンツを Web ページのフレーム内にマッシュアップして表示しています。また、システムに登録されているコンテンツは、お客様宛ての配信メールとしても利用できます。
そのため、コールセンターで受け付けたお問い合わせへの回答として、オペレーターが口頭で説明するだけではなく、「メモを取っていただく必要もなく、詳細な情報を何度でも読み返せるように」該当するページをお客様にメールで送信することもできるようになっています。

システムに登録するコンテンツは、お客様からのお問い合わせの多い項目から優先的に作成しています。従来は、この項目の選別に相当な時間を要していましたが、現在は、au Q&A プラスや Twitter アクティブ サポートなどを活用し、コールセンターの応答履歴からホットなキーワードを抽出。こうして得られたお客様の声を詳しく分析することで、選定にかかる時間を大幅に短縮しています。

システム構成図

システム構成図

<導入効果>
Q&A サイトへのアクセス数が 3 倍増。コールセンターの通話時間を 3 分の 1 削減

SharePoint Server 2010 for Internet Sites を活用したコンテンツ管理システムは、2012 年 3 月 26 日にリリースされて以来、順調に運用されており、その成果も「明確」だと矢舗 氏と鈴木 氏は声を揃えます。

「まずは、当初のねらい通り、コンテンツの流通という意味での一元化に向けて CS 部門と推進しています」(鈴木 氏)。
検索ロジックを変えたり、auHP、お客さまサポートページからの導線を強化したことによってアクセス数は伸ばしています。
「たとえば、スマートフォン購入後アドレス帳の移行に多くのお客様が悩まれていました。今はもちろん、Web で検索していただければすぐにサイトの回答が見つかるようになっています。『au Q&A プラス』では、さまざまなコンテンツに対し "役に立ったかどうか" のアンケートも行っており、『役に立った』とご回答いただけた数を表示するようにしています。これによって、お客様の満足度もある程度把握できるようになっています」(矢舗 氏)。

そして、コールセンターの負荷軽減に、大きな威力を発揮しているのが、メール配信機能です。矢舗 氏は、「メール活用によって、コールセンターでの通話時間が削減された」と話します。
「お客様の満足度を高めていく上で、コールセンターで問題を解決していただくまでに要する待ち時間や通話時間を少しでも減らしていくことが重要なのですが、SharePoint Server による新しいコンテンツ管理システム導入の成果は予想以上でした。冒頭でもお話しましたが、スマートフォンの操作説明というのは、フィーチャーフォンに比べて難しい側面があります。そこで、お客様に確認を取らせていただき、解決方法を示したコンテンツをメールで送信させていただく方法を併用したところ、スマートフォンの操作説明に要する時間を従来より 15 % 短縮することができました。しかも、解決方法を記したコンテンツがお客様のお手元にあれば、いつでも、どこでも参照いただくことができます。こうして 1 件のお問合せへの対応をより充実させながら、要する時間を短縮できたのは、SharePoint Server 導入の大きな成果だと思います」。

加えて、コンテンツ管理システムの運用も、想定通りに効率化されていると言います。
「現在、コンテンツの作成、登録に従事している担当者は、2 ~ 3 名程です。今後、本格的に内製化が進むにつれて人数は増えていく予定です。ただ、コンテンツ数も多いため、現場には非常に頑張って対応してもらっています。それでもこの少人数で対応できているのは、コンテンツの一元管理と一括供給が実現できているからにほかなりません。サイト制作を外注すればコストもかかりますが、内製する場合には人的なリソースの確保が大きな問題になります。その点においても、SharePoint Server 採用によってバランスできているのではないかと思います」。

<今後の展望>
システムの自動化、効率化を推進し、サポート情報のよりスピーディな公開へ

KDDI のコンテンツ管理システムは「まだ 100% ではない」と、矢舗 氏。その理想は、ほぼ全自動で即時的にマニュアルのすべてがオープンになる環境の実現にあると言います。
「今回のシステム改訂によって、Twitter やブログなどの書き込みやコールセンターに残る音源から、コンテンツの一元管理と一括供給を実現することができました。今後は、いかにして "より早く、よりオープンに" 情報を公開していくことができるかが課題になっています。理想は、コールセンター用に準備している 1 万ページものマニュアルを自動的に分類して、なおかつチャンネルごとに不要な情報をマスクして、一斉に公開することのできるしくみの実現です。スマートフォンやフィーチャーフォンの発売は春夏秋冬で波があり、お客様サポートへのお問い合わせも集中します。各端末の情報は、直前まで入手できませんので、私たちとしてはどこまで自動化して、対応のスピードを速めて行けるかがチャレンジになっています。最終的には、SharePoint Server にコンテンツを登録した後の承認プロセスも、SharePoint Server 上にワークフローを構築して一本化できると良いと思っています」。

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