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上士幌町議会

 様に導入

"開かれた議会"を実践する町議会に先進のタブレット Microsoft Surface を導入。例規類集の電子化によるコスト削減と議員の実務の効率化に貢献

写真: 上士幌町役場

上士幌町役場

北海道十勝地方の北部に位置する自然豊かな町、上士幌町。農業の盛んなこの地域は、その効率化のために最新のテクノロジー活用にも積極的に取り組んでいます。その気風は "開かれた議会" を実践する町議会にも共通しており、議会の様子をインターネットでリアルタイムに中継するなど、IT の活用が進んでいます。そして、2013 年には、議員全員にタブレットを配布して例規類集の電子化を徹底し、継続的な予算削減を実現するプランが浮上。議論の末、PC に不慣れな議員にも問題なく利用でき、長期的に多彩な用途にも応用できる優れた端末として選択されたのが、Microsoft Surface でした。

<導入の背景とねらい>
町議員が不満なく活用できるタブレットを求めて、
各種端末を比較検討

写真: 杉山 幸昭 氏

上士幌町議会 議長
杉山 幸昭 氏

写真: 斉藤 明宏 氏

上士幌町役場
議会事務局
事務局長
斉藤 明宏 氏

上士幌町は、全国でも屈指の穀倉地帯として知られ、酪農業も盛んな北海道十勝地方の北部に位置する自然豊かな町です。総面積 695.87 km² という広大な土地を持ち、15 歳以上の人口のうち 31% が農業に従事するなど、日本の食糧供給に多大な貢献をしている自治体の 1 つです。

一方で上士幌町は、総務省の「地域情報通信基盤整備推進交付金」による整備事業によって、2008年にWi-Fi ネットワークの敷設を完了するなど、IT の活用にも積極的に取り組んでいます。
こうした取り組みは、農家においてもインターネットやメールの活用が必要不可欠となっている状況に応えたものであると、上士幌町議会の議長を務める杉山 幸昭 氏は話します。
「私の本業は農家ですが、今は衛星画像を使って敷地内の土壌や小麦の乾燥状況などを調査しています。農業の世界も、IT と無縁ではありません。農家も皆、メールを使っていますし、Wi-Fi が整備されてからは、確定申告もインターネットで済ませています。」

上士幌町役場においても、グループウェアの活用によるペーパーレス化の促進など、かねてより IT による効率化が積極的に進められてきました。そして 2013 年には、町議会運営にかかる費用を削減するために、全国でもまだ実例の少ない 1 つの取り組みを実践しています。

それが、「町議会へのタブレット導入によるペーパーレス化」です。タブレットの導入に伴い、すべての議員が利用する「例規類集」を電子化 (html 化)。少なくとも年に 4 回は発生していた改訂作業にかかる費用の削減を果たしています。

タブレット導入に際して「特に抵抗もなかった」と、杉山 氏は笑顔をのぞかせます。
「PC やタブレットなどに対する習熟度は、各議員で異なりますが、IT 化の波は避けようもありません。タブレットを活用することで議会運営の費用を削減できるなら、反対する理由は何もありません。2013 年の 8 月に導入し、9 月 3 日に開催された定例議会から活用しています。」

こうして、上士幌町議会で活用されているのが、マイクロソフトのタブレット Microsoft Surface です。

<導入の経緯と導入効果>
費用対効果と、長期にわたる活用を前提に
さまざまな応用が可能なSurface を選択

写真: 櫻井 淳史 氏

上士幌町役場
議会事務局
主査
櫻井 淳史 氏

上士幌町議会への Surface 導入は、それまで毎年 200 万円以上かかっていた議員用の「例規類集」の印刷改訂費用を 20% 以上削減するという、明確な目的に沿って決定されました。

しかし、導入する端末の決定には、紆余曲折があったと上士幌町役場 議会事務局事務局長 斉藤 明宏 氏は振り返ります。
「この提案は当初、行政側からコスト削減につながるとしてリクエストしたものでした。その時は、他の自治体の iPad の事例を参考にしていたため、早速 iPad の購入費用を調べて予算を申請したところ、町長から『高額である』と却下されてしまったのです。」
町長からは「2 万円前後で市場に出ている Android 搭載タブレットで十分ではないか」という意見が寄せられました。

しかし、安価過ぎる端末には「デメリットも多かった」と斉藤 氏は説明を続けます。
「確かに 2 万円を切るような海外製品も販売されていました。しかし、液晶は 7 インチと小さく、議員の方々が、例規を確認するには文字が小さすぎます。それに、端末の信頼性にも疑問がありました。議会に導入するからには、セキュリティなどに不安要素があってはいけません。また、タブレットの利用目的を例規類集の参照だけに限定するのは勿体ないという意見も、議員の中からも挙がってきました。」
こうして検討が重ねられる中、議会事務局主査の櫻井 淳史 氏が Microsoft Surface に着目。iPad の 9.7 インチ液晶よりも大きな 10.6 インチの液晶と、Microsoft Office で作成したファイルがそのまま編集、活用できる汎用性の高さ、そして Type Cover といったキーボードのオプションが揃っていることなどが、議員全員に高く評価されたと振り返ります。
「7 インチのタブレットも検討したのですが、やはり画面が小さ過ぎると不評でした。Surface であれば、液晶画面が大きい上に Microsoft Office の利便性も加わります。ファイルの閲覧がメインとなる他のタブレットとは違い、ファイルの作成までしっかりと対応できます。しかも、検討中に 1 万円の値下げが発表されたのも好都合でした。最終的にSurface が最善の選択肢だという結論に達しました。」

写真: 上士幌町 町長 竹中 貢 氏

上士幌町 町長 竹中 貢 氏

写真: 例規類集 3 冊を電子化した CD と Microsoft Surface

例規類集 3 冊を電子化した CD と
Microsoft Surface

馴染みのある Windows と Office だからこそ
導入に際しての操作説明も必要最低限で完了

Surface とマウスの購入にかかった費用は 40 万円強。しかし、導入 1 年目にかかる例規類集の更新費用の削減によって、すでに投資金額のほとんどが回収されています。

また、例規類集の電子化は議会運営をスムーズにすることにも貢献。紙にして約 8,300 ページのデータが Surface 内に保存されるほか、庁内のポータル サイトには、常に最新版がアップされており、庁内の Wi-Fi ネットワーク経由で確認できるようになっています。

さらに、キーボードとして使用できる Type Cover は、上士幌町議会議員から出された提案によって、議会に寄付されることになったと杉山 氏は言います。
「Microsoft Office を使えるというのが、Surface の大きな特徴であり、一般質問様式や研修の報告書など、書類作成に活用できることが採用のポイントとなりました。それならば、キーボードもあった方がいいというのが、私たちの意見です。そして、キーボードは私たち自身で購入して議会に寄付しようと決めたのです。」

Surface には、もう 1 つのメリットもあったと、櫻井 氏は言います。
「議員の皆様に操作方法を説明する時はもちろん、審議中にエラーが発生した時なども、私が対応しなければいけません。これが Android 端末であった場合、正直私も操作経験がありませんでしたから、お手上げ状態に近かったと思います。Surface なら、Windows のパソコンと共通の操作性を持っていますので、迷うこともありません。」







一般質問様式などの必要書式は
USB メモリーを使って効率的に運用

Surface には USB ポートも備えられていますが、これも議会運営の役に立っていると、櫻井 氏は言います。
「上士幌町議会では、議会事務局に提出する書類のすべての書式を、USB メモリーに記録して管理しています。議員の方々は、自分の USB メモリーの中に記録されている書式を使って書類を作成して、USB メモリー内に保存。そのまま私たち議会事務局に提出します。
以前はプリントアウトされた書類を再入力する手間があったのですが、こうしていただくことで、会議用の書類を整える効率が格段に向上しています。」

写真: 必要な書式はすべて個人用の USB メモリーに保存して管理

必要な書式はすべて個人用の
USB メモリーに保存して管理

写真: 上士幌町役場 議会事務局の皆様

上士幌町役場
議会事務局の皆様

写真: 上士幌町議会の皆様

上士幌町議会の皆様

<今後の展望>
町議会の資産として長期的な活用の広がりに期待

杉山 氏は「Surface 活用の成果は、今後さらに増えていく」として、次のように締めくくります。
「今回、単に価格だけを優先せずに Surface の採用を決めたのは、それが長期的に安心して活用できるタブレットだったからです。何より、Microsoft Office に対応しており、PC と比べても遜色のない作業環境が得られることがポイントでした。町議会の貴重な予算を費やす以上、短期に使い捨てるような無駄はできませんから。将来的には議案などのペーパーレス化まで実現できれば良いと思います。」

議員たちの声

写真: 佐々木 守 氏

町民への説明にも、
携帯できる Surface が役に立つ

上士幌町議会 議員 佐々木 守 氏

例規類集が電子化されて Surface の中に保存されたことで、非常に便利になったと思います。
私たちが議会で一般質問を行ったり、町民の皆様の質問に答えたりする場合、拠り所となるのが例規類集なのですが、約 8,300 ページが分厚いフォルダ 3 冊に綴じられていますので、携帯するのが難しく、特に会合などで町民の皆様に説明しなければならない時など、困っていました。

しかし、今は Surface の画面に表示して、すぐに説明できますから、便利です。
操作も、目次から 2 ~ 3 回タッチするだけで目的の項目にたどり着けますので楽になりました。鞄にもすっぽりと入るサイズですから携帯も容易です。

写真: 角田 久和 氏

例規類集のタイムリーな更新は、
議員にとってもありがたいこと

上士幌町議会 議員 角田 久和 氏

Surface の操作に関しては、「習うより慣れろ」といつも言っています (笑)。常に貸し出してもらえるのですから、自宅の Wi-Fi につなぐなどして、使ってみるのが一番です。
例規類集の電子化による予算削減の効果は明らかです。それに、定例議会のたびにさまざまな条例の改正が議題になりますが、庁内のポータル サイトには、そうした改訂がすぐに反映されますので、タイムラグがなくなりました。操作も簡単で、目次の項目に触れるとすぐに目的のページが開きます。

タッチペンがあれば、さらに快適に使えます。文字の大きさもパッと拡大できますから、読みにくいということはありません。
昨年 Surface を使っている様子が地元の新聞に掲載されたため、いろいろなところで「実際はどうなのか?」と質問されるのですが、Surface は本当に、想像以上に使いやすいですよ。

写真: 山本 弘一 氏

インターネットから書類作成まで、
PC と同等に使い込める

上士幌町議会 議員 山本 弘一 氏

私は、Windows 98 の頃からずっと PC を使って来ましたので、キーボードとマウスの操作が身に沁みついています。また、自分の手が大きいこともあってタッチ操作には戸惑っていたのですが、やはりタッチペンがあると便利ですね。快適に操作できます。
それと、やはりキーボードの存在が大きいですね。大半のタブレットはタッチ操作が前提になっていますが、Surface は純正のカバーがキーボードになります。やはり文書を作成するにはキーボードが必須です。Excel や Word がインストールされているのですから、しっかりと活用すべきです。
個人的に、Wi-Fi のデータ通信端末を常時携帯して、Surface を接続して活用していますが、こうした通信環境がもっと普及すれば、Surface の活用範囲も、もっと広がるのではないかと思います。

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