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株式会社 カカクコム

 様に導入

「24 時間 365 日、本当に止まらないデータベース」を
Microsoft SQL Server 2012 AlwaysOn 可用性グループで実現
毎月のセキュリティ パッチ適用までを完全無停止のまま可能に

写真:株式会社 カカクコム

株式会社 カカクコム

最安価格やおいしい店など、インターネットからの情報が消費者にとって重要な購買の判断材料となった現在、情報サイトは「いつでもそこにある情報源」として常に利用できることがあたり前となっています。購買支援サイト「価格.com」やグルメ サイト「食べログ」を運営する株式会社カカクコムは、そうしたコンシューマーの声に応え、「24 時間 365 日、本当に止まらないデータベース」の構築に着手。全サービスの基盤となるシステムに SQL Server 2012 AlwaysOn 可用性グループを導入して、システム移行から毎月のセキュリティ パッチ適用までを完全無停止で行える、きわめて高い可用性を実現しています。

<導入の背景とねらい>
利益に直結したサイトを支える
「絶対に止まらないデータベース」が急務

株式会社カカクコム
プラットフォーム技術本部
シニアチーフアーキテクト
佐々木 展幸 氏

インターネット ユーザーにとって、今やすべての情報サービスは 24 時間利用できることが前提になっています。これを運営企業の側から見れば、システムの可用性はそのままビジネスの可用性であり、万が一システムが停止してしまえば、原因が予期せぬ障害であれ計画停止であれ、大きな利益の逸失につながりかねません。こうした自社の利益に直結するシステムを極限まで高め、SQL Server 2012 AlwaysOn 可用性グループによって「24 時間 365 日、本当に止まらないデータベース」の実現に取り組んできたのが、株式会社カカクコム (以下、カカクコム) です。

コンシューマー向け情報サービスのパイオニアとして知られる同社のウェブ サイトは、現在 8 サイトを展開。その中で代表的な 2 つが、1997 年スタートの「価格.com」と 2005 年スタートの「食べログ」です。いずれも毎月約 5,000 万人のユーザー アクセスを誇り、まさに同社の収益の柱というべき存在となっています。しかしその歴史の長さの分、システム運用の面ではしだいに問題がふくらみつつあったと、システム基盤を担当する株式会社カカクコム 佐々木 展幸 氏は振り返ります。

「当初はスモール スタートで始めたシステムを、ビジネスの急成長にあわせてそのつど改修、拡張を続けてきました。しかし今や膨大なユーザー数を擁し、当初の利益に直結するシステムにふさわしい可用性を実現するには、根本的にシステム基盤を見直し、24 時間 365 日、本当に止まらないデータベースの構築が急務だと考えたのです」。

もちろんシステムの停止は予期せぬ障害だけではありません。パッチの適用など定期メンテナンスの際には、計画的なシステム停止を行うことが常識です。しかしカカクコムにとっては、その「常識」も越えなくてはならないハードルでした。24 時間稼働のウェブ サイトは更新頻度が高く、データベースの更新もほぼ毎日行われます。またコンシューマーを対象とする情報サービスでは、いつでも必ずアクセス可能なことがユーザーの認知を獲得するうえできわめて重要なアドバンテージとなります。社内の各サービス担当者からも、「絶対に止まらないシステム」を望む声は日増しに高くなっていました。

購買支援サイト「価格.com」のホームページ[拡大図]新しいウィンドウ


グルメ サイト「食べログ」のホームページ[拡大図]新しいウィンドウ

<導入の経緯>
24 時間、365 日稼働を可能にする
AlwaysOn 可用性グループによるクラスター構成を採用

今回の移行プロジェクトが立ち上がる直前、旧システム基盤はハードウェア、データベース共に陳腐化が進み、パフォーマンスも導入設計時の限界に迫りつつありました。しかしすべての情報サイトが利用している基盤サービスとあって、早々にリニューアルしようにもサービス停止は避けたいというジレンマがあったのです。

「そこで、全情報サイトの担当者を集めて話し合った結果、移行段階から毎月のセキュリティ パッチ適用作業まで、可能な限り無停止で実施する、という方針を決定しました。稼働率 99.999% で年間の停止時間が 5 分以下の水準、ただし定期メンテナンスなどの計画停止時間を含まない。すなわち、実質的にどんな時もまったく止めない、止まらないデータベースが目標となりました」。

この要件に基づいて佐々木 氏が RFP を作成。システム インテグレーター数社に声を掛け、本格的にプロジェクトがスタートしたのは 2012 年 4 月でした。ちょうど SQL Server 2012 がリリースされたタイミングとあって、全社が SQL Server 2012 AlwaysOn 可用性グループによる提案を提出してきました。カカクコムでは特に指定していませんでしたが、旧システム基盤も Microsoft SQL Server 2000 を利用していたこと、導入価格もできるだけ抑えたいと要望していたことから、結果的に SQL Server による提案が出そろったと言います。

「大きなシェアを持つ他社データベース製品のクラスタリングも検討したのですが、やはりコストの高さを考えると厳しいものがありました。またその製品であっても、まれに全ノードの停止が必要になるパッチがリリースされる場合があると聞き、当社が求める本当の 24 時間、365 日稼働は難しいと判断しました」。

何よりも、旧システム基盤の SQL Server 2000 から無停止で移行するうえで、SQL Server 2012 は最良の選択でした。しかも、最終的に今回の移行をサポートすることになった株式会社CSK Winテクノロジ (以下、CSK Winテクノロジ) が、新旧のシステム移行を無停止で行う方法と、AlwaysOn 可用性グループのサーバー切り替えについても無停止で実現するシステムを提案してきたのです。もちろん当初はリリースされたばかりとあって、AlwaysOn 可用性グループの可能性や将来性について未知数との懸念もありました。しかし CSK Winテクノロジが、既に自社内での構築、検証実績を持っていたことに加えて、この無停止での移行を可能にする提案が採用決定につながったと佐々木 氏は評価します。

2012 年 7 月、CSK Winテクノロジの提案を最終的なシステム構成として正式決定。絶対にシステム基盤の停止を招いてはいけないとの配慮から、移行作業は慎重をきわめ、あらゆるリスクを排除しながら約半年がかりで移行作業は実施されました。2013 年 5 月に本番稼動を開始した後の動きは一転して速く、新旧の並行稼働はわずか数日のみで全システム基盤の切り替えを完了。もちろんすべて完全無停止による移行という最重要テーマも、滞りなく実現できたことはいうまでもありません。

<導入効果>
毎月のセキュリティ パッチ適用も含め
完全無停止による稼働を継続中

運用開始から約 1 年が経過した 2014 年 4 月現在まで、AlwaysOn 可用性グループによる新しいシステム基盤は順調に稼働を継続しており、毎月 (年間 12 回) の定期セキュリティ パッチ適用作業も、完全無停止で乗り切ってきたと佐々木 氏は語ります。

「ちょうど先日も定例パッチの適用を行いましたが、今ではサービスへの影響を心配することなく作業ができています」。

今回の新しいシステム基盤では、可用性だけでなくパフォーマンスの期待値も大きく向上しています。既に導入前の実機と実データを使ったパフォーマンス試験では、大幅な処理パワーの向上が確認されています。

「検証項目中のある機能は、旧システム基盤では秒間 30 程度の処理量を性能限界として保証していました。それを RFP では秒間 600 処理くらいまで保証したいという要望を出していたのですが、検証の結果、秒間 900 処理まで実現できたとの報告を受けました。このパフォーマンス面での改善を見て、このシステムで充分いける、と確信できました」。

今回の SQL Server 2012 AlwaysOn 可用性グループを使った、完全無停止によるシステム移行および運用は、今後ますます増えてゆく「24 時間、365 日稼働」への要望に応えていくうえで、きわめて有効な先行事例といえます。これまでは、5 月のゴールデン ウィークや夏期休暇、年末年始休暇など、まとまった作業時間が確保できる期間に静止点を設けて移行作業を行うのが、システム移行の "常識" でした。しかしカカクコムのように、いつどんな時でも情報を求めるお客様のためにサービスを継続し、すぐに最新の情報を更新、提供し続けるビジネスは、将来にわたって急速な成長を遂げていくことが確実です。佐々木 氏は、「私もこれまで、さまざまなシステム インテグレーションを手掛けてきました。ミッション クリティカルの代表といわれる金融システムでも、大概はメンテナンスのための停止時間を確保できるのですが、当社の場合はすべてのサービスを支えるインターネット基盤とあって、これまでの概念とは大きく異なるきわめて高度な可用性、止まらないサービスが必要だったのです」と語り、今回のプロジェクトが同社にとっても大きなチャレンジであり、また成果だったことを示唆します。

<今後の展望>
増え続ける「止まらないシステム」への
今回の成果の応用を期待

佐々木 氏の下には、現在もさまざまな事業部から新しい案件にかかわるシステムの相談がひんぱんに持ち込まれてきます。そうした中には、将来的に今回のシステム基盤と同様な「絶対に止めてはいけない」案件が浮上してくる予感があると明かします。

「まだ具体的にどうこうという段階には来ていませんが、当社のビジネスはいつどんなアイデアが出てくるかわからないところが特長であり、また強みでもあります。"本当に止まらないシステム" を求められた場合に提案できる選択肢が増えたことは、今回の大きな収穫の 1 つです」。

またビッグ データ活用が盛んに議論されている昨今、カカクコムでも自社の持つ膨大なデータを提供するビジネスを既に進めており、そうした領域でも「本当に止まらないシステム」の横展開の可能性はありうると展望を語る佐々木 氏。

インターネットにおける情報ビジネスの先駆者として時代のニーズを先取りしてきたカカクコムの新たなチャレンジを、SQL Server 2012 AlwaysOn 可用性グループが強力に支えていきます。

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