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導入事例

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株式会社 JTBビジネスイノベーターズ

 様に導入

Microsoft Azure の国内データセンターをフル活用し、ホテル旅館システム「INCHARGE 7」をアップデート。快適な操作感と、高度なサービス提供。充実した BCP、そしてビッグ データ活用による販売分析まで、画期的なサービスを実現

JTB グループの知見と資産を活用し、革新的な商品・サービス・ビジネスモデルをグローバルに展開する株式会社 JTBビジネスイノベーターズでは、1997 年から全国のホテル、旅館向けに提供してきたホテル旅館システム (以下、「PMS」) 「INCHARGE」シリーズに、新たな価値を付加し、より強力なサービスへと進化させるためにシステムのアップデートを実現。新しい価値の創出に注力させるために同社が選択したのは、2014 年に日本データセンターをオープンさせた PaaS 型のパブリック クラウド サービス「Microsoft Azure」でした。

<導入の背景とねらい>
より安定したシステムの稼働と、運用の最適化を目指して各種クラウド活用を実践した同社が、最後にたどり着いた PaaS 活用

JTBビジネスイノベーターズは、資金決済や外貨などの各種金融決済事業や、国内外の旅行者、および旅館やホテルなどの宿泊施設を支える各種 ICT サービスを提供しています。
これらサービスを提供するシステムの構築、運用には、セキュリティから可用性まで厳格な基準を満たすことが求められます。その中にあって、JTBビジネスイノベーターズでは既存のソリューションに固執することなく常に最新のテクノロジーを吟味し、SaaS (Software as a Service) 型のサービス提供などに積極的に取り組み、システムの最適化とサービスの品質向上に努めてきたと JTBビジネスイノベーターズ 代表取締役常務 (情報戦略担当・コンプライアンス担当) 事業開発部長 北上 真一 氏は話します。
「たとえば当社ではサーバーの仮想化にも 2006 年から着手しています。当時実感したのは、システム トラブルの約 3 割がサーバー ハードウェアに起因するということでした。しかし、仮想化によるプライベート クラウド構築や、SaaS 型のサービス利用によって、サービス停止のリスクは激減しました。この変化は、お客様へのサービスを保証する上で大変に重要です。そのため、各種クラウド サービスをハイブリッドに活用し、"持たざる IT"を実践していくことは、必然的な流れであったと言えるでしょう」。
こうして、JTBビジネスイノベーターズでは、オンプレミスで運用する約 50 のシステムを順次クラウド化を検討しています。そして、2014 年 4 月、同社にとっても初めての経験を含む、画期的なプロジェクトが完了しました。同社が 2009 年から全国の宿泊施設に提供している PMS (Property Management System = 旅館、ホテルの予約から客室管理、請求までを処理する基幹業務システム) の最新版「INCHARGE 7」の、Azure への全面移行です。

<Azure 活用の効果と今後の展望>
日本データセンターの活用で、レスポンスの良いサービス提供を実現
さらに、万一の災害時にもデータ消失を防ぐ BCP 対策を充実

「INCHARGE 7」は、「フロント会計」から「顧客管理」、「予約管理」、「Web 連動」、「売掛管理」、「BI (Business Intelligence)」、そして「オプションサービス」の 7 つの機能を網羅した重要なサービスです。当然ながら、チェックインや、夜間に集中する Web からの予約受付時にシステムのレスポンスが低下することなどは許されません。
この「INCHARGE 7」をパブリック クラウド サービスである Azure に移行したねらいは「今後、より迅速に新機能、新サービスを提供できるように開発、運用体制を最適化すること。および、BCP (Business Continuity Planning) を徹底強化することの 2 点にある」と、同 PMS事業部 担当部長 津村 欣孝 氏は続けます。
「まず開発、運用体制に関して言えば、Azure が PaaS (Platform as a Service) のクラウドであることが大きな意味を持っています。IaaS (Infrastructure as a Service) の場合、サーバー OS 環境から自前で構築し、セキュリティの更新管理を行う必要があります。しかし、Azure ならばサーバーの稼働監視もセキュリティ バッチの適用も、マイクロソフトに任せることができます。この違いが、業務の効率化に大きく影響します」。

そして、日本国内に 2 か所のデータセンターが設置されたことが、Azure 採用の最大の決め手であったと続けます。
「『INCHARGE 7』には、レスポンスの劣化は許されません。国内にデータセンターがあることが絶対条件でした。しかも、東西に 2 か所設立されるとなれば、BCP の側面から見ても、安心感が段違いに高まります。当社も、東日本大震災の経験として、全国規模で展開するサービスは、いかなる場合にも稼働していなければならないことを強く感じました。Azure ならば、東西のデータセンター、そして海外のデータセンターまで含めて、常にデータが守られる環境が築けます。このメリットは、ほかのサービスでは得られません」。

既存データベース (他社製品) から SQL データベースに移行
クラウド上に蓄積された 1,000 万人泊以上のビッグ データを将来はお客様の販売分析に活用

写真:長石 治 氏、津村 欣孝 氏、北上 真一 氏、山本 健司 氏、坪根 豊 氏

長石 治 氏、津村 欣孝 氏、北上 真一 氏、山本 健司 氏、坪根 豊 氏

「INCHARGE 7」のフル クラウド化における、大きな変化はプラットフォームだけではありません。膨大な顧客情報を取り扱うデータベースにも、大きな変化が起きています。
従来の 「INCHARGE 7」のデータベースには、他社製品が利用されていました。しかし今は、2014 年の 7 月に、Azure 上に用意されている SQL データベースへのデータ移行が完了しています。同 PMS事業部 事業推進室 マネージャー 山本 健司 氏は、この変化について次のように説明します。
「現在の Azure では、仮想マシンを使って IaaS と同じように扱い、その上に既存データベース (他社製品) を展開するという選択肢もあります。しかし、当社ではパフォーマンスなどを詳細に検討し、SQL データベースに移行することを決定しました。当然ながら、これまでに蓄積した膨大なデータを移行するには、時間と労力が必要です。しかし既存データベースを選択した場合、長期的にはパッチ適用やサーバーの稼働監視といったコスト負担を減らすことができず、当社の最適化目標を満たすことができません。この選択に後悔などありません」。

そしてこのデータベースは、今後のサービス強化に大きな役割を果たすことになります。それが「INCHARGE BI」です。PMS事業部 事業推進室 営業統括マネージャー 東日本営業所長兼務 坪根 豊 氏はこの BI が、お客様に「画期的なメリット」を提供できると話します。
「従来から、お客様の施設内における宿泊者の購買活動などを分析し、サービス施策向上に活かしていただくことが可能でしたが、『INCHARGE BI』ではさらに、当社のサーバーに蓄積された 1,000 万人泊以上のマーケット データを販売分析用に提供します。また、簡単な条件指定によって、さまざまな切り口のデータを切り出せますので、新たな気づきを得ていただくことが可能です。こうしたサービスは、クライアント - サーバー型のシステムでは実現できません。クラウド上でビッグ データを円滑に取り扱う環境とパフォーマンスがあって、初めて実現できるものです」。

こうして、さまざまなメリットを得たという Azure 国内データセンター活用について、最後に北上 氏は次のように締めくくります。
「今まで、システムの運用保守にかかるコストは、人件費の中に埋もれてしまっており、可視化されませんでした。しかし、PaaS 活用では、その負荷の大半をマイクロソフトに任せてしまうことができます。結果として、社内の人材が持つ能力がビッグ データを使った販売分析といったサービス強化に活かされ、お客様により早く新しい価値を提供できるようになりました。サービス提供に関するライフ サイクルを、こうして改善できたことは大きな収穫です。さらに言えば、今後は社内の IT ポートフォリオを PaaS、IaaS、プライベート クラウド、オンプレミスなどのハイブリッド環境にうまく分散させ、社員のスキルを必要に応じて育成できる体制を整えることが肝要になると思います。その点でも、エンタープライズ システムからパブリック クラウドまで一貫して揃っているマイクロソフトのテクノロジーには、今後も期待しています」。

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