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導入事例

 様に導入

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株式会社伊藤園

 様に導入

"緑茶飲料の発明" というイノベーションから 30 年。世界に広がる伊藤園グループを 1 つのチームにまとめ、世界に向けた新たな価値創出を促進する統一コミュニケーション基盤を、Microsoft Office 365 で実現

写真: 株式会社伊藤園

株式会社伊藤園

株式会社伊藤園は、創業以来「お客様第一主義」を経営理念として掲げ、すべてのお客様との信頼関係の「和」を構築してきました。「世界のティーカンパニー」をめざし、従業員約 10,000 名を擁する伊藤園グループへと成長した今、同社ではグループ内のシナジーを活かすべく「チーム伊藤園」という「和」の創出を支えるために、グループ全体に共通する情報共有基盤の構築を開始しています。その一大プロジェクトを支えるソリューションとして選ばれたのが、Microsoft Office 365 でした。

<導入の背景とねらい>
お客様第一主義をもって、グループ全体が一丸となる
「チーム伊藤園」を支える基盤構築へ

写真: 椎橋 真一 氏

株式会社伊藤園
管理本部
副本部長 兼 情報管理部長
執行役員
椎橋 真一 氏

写真: 青柳 敏夫 氏

株式会社伊藤園
情報管理部 システム運用課
課長
青柳 敏夫 氏

※部署名・役割は取材当時のものです

創業以来一貫して日本のお茶文化に貢献し続けてきた株式会社伊藤園 (以下、伊藤園) にとって 2014 年は、緑茶飲料発明から 30 年という、節目の年となっています。

1970 年代にはファストフード、コンビニエンスストアの登場により、「飲料の多様化、簡便性、洋風化」が急速に進み、これによりお茶も時代のニーズに合わせる必要が出てきました。
伊藤園は「いつでも、どこでも緑茶をおいしくお飲みいただきたい」という想いから「缶入り煎茶」の開発に着手しました。しかし、お茶本来の色や香りを引き出せずにいました。実に10年もの研究期間で多くの試作を重ねた結果、1984 年にお茶の大敵である酸素を缶から除くことで、お茶の自然な風味を守ることを実現する緑茶飲料化技術を発明しました。

翌 1985 年に発売された「缶入り煎茶」は 1989 年に「お~いお茶」へと名称を変更し、今日に至るまで市場をリード。さらに、世界へと販売網を拡大し続けており、伊藤園が取り組む茶産地育成事業における茶葉の生産量も年々増加しています。伊藤園が起こしたイノベーションが日本の食生活を変え、「和」の文化をグローバルにまで拡張したのです。

「世界のティーカンパニー」を標榜し、今も成長を続ける同社にとって節目を迎えた2014 年。伊藤園グループ内にシナジーを呼び起こし、新たなイノベーションを促進させるべく、変化が起きています。それが、アジアを中心に海外へと広がる伊藤園グループ全体を 1 つのプラットフォームととらえ、業務システム全般の刷新を図る動きです。
その先駆けとして着手されたのがメールやポータル サイトなどの社内情報共有基盤の刷新です。目指したことは、「創業以来の理念を体現するコミュニケーション環境だった」と、椎橋 氏は説明します。

「当社が創業以来大切にしてきた基本理念の中に『和』の精神があります。"チーム伊藤園" として伊藤園グループ全体が 1 つの家族のようにまとまり、すべてのお客様のために一丸となって仕事に取り組んでいく。そのためには、メールやポータル サイトなどの社内情報共有基盤が、とても重要になります」。

そこで伊藤園では、クラウド サービスの活用を前提に、複数のサービスを比較検討。その結果、選ばれたのがマイクロソフトのビジネス向けクラウド サービス Microsoft Office 365 でした。

そして 2013 年末には伊藤園と、タリーズコーヒージャパン株式会社 (以下、タリーズコーヒージャパン) の情報共有基盤を、Office 365 に統一しています。このプロジェクトこそ、伊藤園グループ内において関連会社をつなぐ、記念すべき初の合同プロジェクトでした。

<システム導入の経緯と概要>
中国をはじめとする海外拠点を含め
伊藤園グループ全体の IT ガバナンスを強化

写真: 山口 浩 氏

株式会社伊藤園
情報管理部
山口 浩 氏

写真: 橋本 聡 氏

タリーズコーヒージャパン株式会社
管理本部 システムグループ
チームリーダー
橋本 聡 氏

※部署名・役割は取材当時のものです

社内はもちろん、茶葉生産農家をはじめとする地域社会との「和」を尊び、お茶を中心として日本の文化と環境の保全にも力を尽くす伊藤園グループでは、社内外のコミュニケーション環境を重要視しています。

そのコミュニケーション環境をクラウド化することには特に抵抗もなく、むしろ「システムの運用と維持にかかるコストを平準化するためには、当然の選択だった」と、伊藤園 情報管理部 システム運用課 課長 (取材当時) 青柳 敏夫 氏は話します。
「メール サーバーなどのハードウェア資産を社内に抱えてしまうと、稼働管理やセキュリティ対策などに、多大な負荷がかかります。しかも、ストレージなどのハードウェアが陳腐化することは避けられず、更新時期にはコストがかさみます。この更新コストは経営層の視点から見れば、『現状維持』にかけるコストにしか映りません。その点、SaaS (Software as a Services) のクラウド サービスであれば、余計な手間やコストを心配することなく、最新の環境を継続活用することができます。しかも、テクノロジーの進歩もあって、クラウド サービスが充実している今、クラウド サービス活用を前提にすることは、当然の判断であったと思います」。

加えて、"チーム伊藤園" を支える情報共有基盤としては「グローバルに展開されたクラウド サービス」であることが重要だったと話すのは、タリーズコーヒージャパン 管理本部 システムグループ チームリーダー 橋本 聡 氏です。

「私たちが 情報共有基盤の刷新に際してもっとも重視していたポイントが、 BCP (Business Continuity Planning) です。Tully's 各店舗では 5 年ほど前に導入した Web のメール サービスを活用していたのですが、サービスが古くなり、OS やブラウザの変化にも適応できず、互換表示で何とか対応しているような状況だったのです。事業の継続性を考えると、常に最新のサービスを提供してくれるクラウド サービスが望ましかったのです。さらに、災害時への備えを考えれば、国内だけではなく、海外のデータセンターも利用できる。加えて、セキュリティの基準もグローバルに準じていくことが望ましい。そうした諸条件を満たす選択肢は、マイクロソフトの提供する Office 365 と、もう 1 社が提供するサービスしかありませんでした」。

こうして、検討対象を 2 つのクラウド サービスにほぼ絞り込まれた中、伊藤園グループの要望を満たす提案として採用されたのが、株式会社富士通マーケティング (以下、富士通マーケティング) による Office 365 の活用提案でした。

Exchange Online や SharePoint Online、Office Online などのサービスを提供する Office 365 が「他のサービスよりも優れている」と判断された主な理由は、下記の 3 つであったと言います。

  1. アジアの重要拠点の 1 つである中国でも、問題なく使用できる。
  2. Excel や Word など、慣れ親しんできた Microsoft Office とも親和性が高く、ごく自然に利用できる。
  3. 富士通マーケティングや日本マイクロソフトの充実したサポートが受けられる。

「機能の充実やグローバルでのサポート体制など含めた選考の中で、Office 365 を選択する決め手となったのが、中国でも VPN 接続で支障なく使えるということでした。さらに、日頃から慣れ親しんでいる Microsoft Office と親和性が高く、幅広い活用が行えること。そして、データセンターの監視やセキュリティ パッチなどの適用がマイクロソフトによって行われ、可用性やセキュリティが担保されていること。そして、富士通マーケティングが、弊社の業務内容をきちんと理解した上でサポートしてくれること。こうしたポイントが決定的な優位点となって Office 365 の採用が決定しました」(青柳 氏)。

こうして、Office 365 の採用が 2013 年 8 月に決裁されると、9 月から本格的な構築・導入プロジェクトがスタート。わずか 3 か月後となる 12 月には、伊藤園およびタリーズコーヒージャパン 約 5,500 ユーザーのメール システムとポータル サイトなどの情報共有環境を、Exchange Online と SharePoint Online への統一が完了しています。

伊藤園グループがこの短期間で構築した情報共有環境は、Active Directory フェデレーション サービス (以下、ADFS) を活用して、組織間、拠点間の認証基盤をシームレスに連携させることで、シングル サインオンを実現。原則としてアクセスを社内ネットワーク内に限定し、全国に広がる伊藤園の拠点および、国内全 555 店舗 (2014 年 4 月末現在)あるタリーズコーヒーのどこからでも、セキュアかつ快適にアクセスできるようになっています。

また、Exchange Online のメールを送受信するためのクライアント側サービスとしては、クライアント PC にソフトをインストールせずとも Web ブラウザ 経由で利用できる Outlook Web App を活用しています。
伊藤園グループでは既存の業務用 Web システムとの兼ね合いから、旧バージョンの Internet Explorer (以下、IE) が混在されているのですが、Outlook Web App マルチ ブラウザに対応しているため、問題なくメール システムを利用できていると言います。

<Office 365 導入の効果>
"チーム伊藤園" としての一体感を高め
即時性の高いコミュニケーションを実現

ADFS によって認証基盤が連携した Office 365 について、伊藤園グル―プでは、「今までとは違う "一体感" を得ることができた」と、伊藤園 情報管理部 山口 浩 氏は言います。
「伊藤園とタリーズコーヒージャパンの対象ユーザー全員のメール アドレス管理が一元化されており、今は氏名検索するだけですぐに探し出せるようになっています。これまで、グループ会社ではありながら、日常は別の業務、別のシステムの中にあって、分かれていたのですが、こうして 1 つの環境の中にまとまってみると、改めて一体感を覚えます」。

Exchange Online 導入のメリットとしては、もう 1 つ「セキュリティとコンプライアンスの強化」が挙げられると、青柳 氏は続けます。
「Exchange Online に移行した後で特に実感した効果として、スパム メールをシャットアウトしてくれるフィルタ機能があります。 検知精度が予想以上に高いため、スパム メールがほとんど届かなくなったのです。これはセキュリティ上、大変助かっています。さらに、古いメールを自動的にアーカイブに移動して、無制限に保持する『インプレース保持』機能のおかげで、コンプライアンス対策に必須となるメール管理の手間もなくなりました。中国をはじめ世界各国に拠点を設置する際にも、ネットワーク環境さえあれば即座に導入できて、しかも安全に運用できるというのは非常に大きなメリットです」。

さらに SharePoint Online にはグループ全体の "一体感" を強め、即時性の高いコミュニケーションを支えるものとして期待していると、3 者が声を揃えます。

「SharePoint Online の活用に関しては、従来の環境にあった『掲示板』と、申請書類などを保管する『データ ライブラリ』を移行したところから活用を始めています。しかし、SharePoint Online の本格的な活用は、これから始まると言ってもいいでしょう。移行当初に "Must" とされていた環境構築はすでに完了しているのですが、SharePoint が多機能なゆえに、すでに社内から、さまざまな "Want" が上がってきているのです」と、青柳 氏。

山口 氏はさらに、SharePoint Online を使ったチーム サイトの活用などにも期待していると話します。
「SharePoint にはテンプレートなども豊富に用意されており、専門的な知識がなくても、部署単位、チーム単位でコミュニケーションするためのサイトを構築することができます。こうした利点を活かし、各部署に権限を付与する運用体制が整えば、コミュニケ―ションは、より活性化していくでしょう。新しいものに敏感な社員からは、すでに『こんなことができませんか?』という相談を、いくつか受けています」。

タリーズコーヒージャパンでも、メールと掲示板に頼った一方通行のコミュニケーションから、ポータルを活用した双方向コミュニケーションへ移行するために、SharePoint Online の活用を深めることを検討していると、橋本 氏は言います。
「たとえば、キャンペーンや新商品の情報や、努力目標などを、エリア マネージャーから各店舗へメールで連絡しても、一方通行のコミュニケーションに陥ってしまうジレンマがありました。しかし、SharePoint を活用して、進捗管理など、店舗とエリア マネージャーの間で双方向なコミュニケーションが実現できるしくみが実現すれば、これまでにはないメリットが得られるでしょう。今はまだ施策を検討中ですが、Office 365 によって、さまざまな可能性を広げることができたのは大変良かったと思います」。

青柳 氏は、Office 365 導入後のメリットについて「とにかくスピード感があがった」と総括します。
「システムの導入がわずか 3 か月で完了したこともそうですが、とにかく全体が効率化され、即時性が増していると感じています。メールもドキュメントも検索が容易になっていますので、情報を探す時間も削減されています。Office 365 では常に最新の機能が提供されますので、今後の運用において機能が陳腐化する心配もありません。ストレージ容量に悩まされる心配もありませんから、今後の成長戦略、海外戦略にも柔軟に即応できます」。

<今後の展望>
Lync Online によるテレワーク支援や
Yammer による社内コミュニティの活性化など
Office 365 の機能をさらに深掘り

伊藤園グループにおけるコミュニケーションを深めるために、Lync Online や Yammer などのサービス活用を含め、今後も Office 365 の活用を深めていくと、青柳 氏と山口 氏は声を揃えます。

「Lync Online に関しては、遠隔地を結び Web 会議の実践や、テレワーク支援などの効果を期待しています。また、社内 SNS (Social Networking Service) のしくみである Yammer を使えば、社員同士の情報交換を助ける場などができるのではないかと、大いに期待しています。伊藤園グループとして、グローバルに育てていきたいコミュニケーション環境として必要な機能や、カスタマイズ可能な柔軟性が Office 365 にはたくさんあります。今後の運用によって、社員が楽しんで情報交換を行える空間として育てていきたいと思います」(山口 氏)。

「Office 365 は、『導入すれば終わり』という、底の浅いサービスではありません。使い込めば込むほど、投資対効果が上がっていく、優れたサービスだと思います。そして、Office 365 のメリットを最大限に引き出すためには、精通したパートナーに協力してもらうことが大切だと実感しています。たとえば SharePoint にはテンプレートが本当に豊富に用意されているのですが、その中から、自分たちで要件に適いそうな候補を見つけ出す間に、富士通マーケティングなら、数多くの候補を探して提案してくれます。こうやってコストをかけてでも機能を最大限利用する価値が、Office 365 にはあると思います」(青柳 氏)。

最後に椎橋 氏は次のように締めくくります。
「当社における BYOD (Bring your own device) などのモバイル活用はまだ検討段階にありますが、Office 365 は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル デバイスともシームレスに連携できます。自席にいる際には PC を通じて、外出先ではスマートフォンやタブレットなどを通じて、自由に "人" と "情報" にアクセスできるようになれば各段に便利になるでしょう。そのほか、グループ全体を支える情報共有基盤として、実現したい項目、検討すべき項目は数多くあります。今後の運用を通じて Office 365 の利点をさらに引き出し、『チーム伊藤園』のコミュニケーションへ、より多くの貢献を果たしたいと思います」。

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