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導入事例

 様に導入

  • コミュニケーション
  • 効率化

伊藤忠商事株式会社

 様に導入

ワーク スタイル変革を支える ICT 基盤として Microsoft Office 365 を採用
個人の生産性と組織の連携力をさらに強化

写真:伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事株式会社

「朝型勤務制度」の導入や女性活躍支援など、ワーク スタイル変革に向けた数々の施策を打ち続けている伊藤忠商事株式会社。その取り組みをさらに加速するため、Office 365 による、コミュニケーション基盤の刷新が行われています。最大の評価ポイントはトータル ソリューションとして活用できる点。2014 年 6 月に Lync Online、Yammer、SharePoint Online の展開を開始し、8 月には Microsoft Exchange Server と Exchange Online を組み合わせたハイブリッド構成のメール システムへの移行も行っています。同社はカンパニー制を敷いており、それ故に組織間連携には比較的弱い部分もありましたが、新たな ICT 基盤の活用によって、組織間の連携の強化と個人の生産性向上を図っています。また社外でも社内と同じように情報を共有でき、多様な働き方を支援しています。

<導入の背景とねらい>
働き方改革に向けて数々の施策を実施、
さらなる変革を目指すには ICT 基盤の刷新が必要に

伊藤忠商事株式会社
IT企画部長
渡辺 一郎 氏

激しく変化する市場環境の中、いかにして企業競争力を高め続けていくか。これは全ての企業に共通する最重要課題です。そのためには社員のフットワークと生産性を高め、迅速な意思決定と行動が可能な環境を整備しなければなりません。客先や移動中など、社外にいる時でも、まるで社内にいるかのように、ビジネス活動を行える事が求められています。

この課題を Office 365 の活用で解決しているのが、伊藤忠商事株式会社 (以下、伊藤忠商事) です。同社は世界 65 か国に約 130 拠点を持つ大手総合商社。6 つのカンパニーで構成され、幅広いビジネスを展開しています。また創業以来「個人の力」を大切にしており、豊かな個性を持つ社員が自由闊達に発言し活動できる企業文化を目指していることも、大きな特長になっています。

「社員の生産性を高めるためにも、これまで数々の取り組みを進めてきました」と語るのは、伊藤忠商事 IT企画部長の渡辺 一郎 氏です。まず 2010 年 4 月には、会議と資料の削減に着手。社内会議や資料作成に費やされていた時間を削減することで業務効率化を進めると共に、その時間を使って現場に赴くことで、現場力の強化が推進されていきました。「社内会議や資料作成は、ビジネスにとってブレーキの役割を果たします。競争力強化で本当に必要なのは、現場で活動するというアクセルなのです」。

2012 年 10 月にはフレックス タイム制度の全社一律適用を廃止。これは、フレックス タイム制ではコア タイム開始間際に出社する社員が多く、その分残業が増える傾向があったためだと言います。さらに 2014 年 5 月には、20 時以降の残業を原則禁止にし、早朝勤務手当の増額や無料朝食支給も盛り込んだ「朝型勤務制度」を正式導入。これによって時間外勤務手当を約 7% 削減しています。

「これらはすべて、お客様対応の強化をねらったものです。効率的な働き方によって社員の生産性を高めることで、より多くの時間が現場での活動に費やせるようになります」。

これらに加え、女性社員の活躍支援にも積極的に取り組んでいます。伊藤忠商事では 1980 年代から女性総合職の継続採用や育児支援制度導入などを行ってきましたが、2012 年にはそれまでの制度を見直し「女性総合職が働きがいを持てる会社」を目指した施策を、次々に打ち出しています。

「このようなワーク スタイル変革を支えるには、IT の力が不可欠です」と渡辺 氏。特にコミュニケーション基盤の刷新が必要不可欠で、そのために採用したのが、Office 365 だったのです。

<導入の経緯>
メール サーバー更改を契機に Office 365 導入へ、
トータル ソリューションである点を高く評価

伊藤忠商事株式会社
IT企画部
技術統括室
主任
田中 仁志 氏

伊藤忠商事株式会社
IT企画部
技術統括室
福田 祐也 氏

「今回の Office 365 導入の 1 つのきっかけになったのは、メール サーバーの更改時期が迫っていたことでした」。このように振り返るのは、伊藤忠商事 IT企画部 技術統括室主任の田中 仁志 氏です。伊藤忠商事では長期にわたって Sun Java System Messaging Server を使用してきましたが、今後の競争力拡大のためには、より使いやすいメール システムが不可欠だったと言います。「実は海外拠点では Exchange Server を使用しているケースが多いのですが、海外駐在から戻ってきた社員からは、国内のメール システムはスケジューラーとの連携がなく使いづらいと不評でした。モバイルからの利用のし易さなども考慮して、まずはこれを刷新する必要があると判断、その後コミュニケーション基盤全体の見直しへと、検討内容が広がっていったのです」。

2013 年 7 月には社内向けにマイクロソフトカンファレンスを 2 日間にわたって実施しています。その後さらなる調査を進めた結果、2014 年 1 月に Exchange Server と Office 365 の導入を決定。2014 年 3 月にはライセンス契約を締結しました。

次期コミュニケーション基盤として全面的にマイクロソフトを採用した理由について、渡辺 氏は「トータル ソリューションになっている点が最大の魅力です」と説明します。「Exchange ならメールだけではなくスケジューラーも統合でき、Office 365 を導入することで Lync や Yammer、SharePoint といった、新たなコミュニケーション手段も利用できます。マイクロソフト製品ならではのこれらの特長を評価し、導入を決めました」。

伊藤忠商事ではまず、同社が LYS (リス) と呼んでいる Lync Online、Yammer、SharePoint Online の社内リリースを、2014 年 6 月に実施。その後同年 8 月には、Exchange Server と Exchange Online を併用したハイブリッド型メール システムへの移行を行っています。

これと並行して、新しいツールを活用してもらうための普及および啓蒙活動も展開。説明会やメール マガジン、社内報の中で日常的な利用シーンに合わせた効果的な活用方法を定期的に紹介する、といった取り組みが行われています。

また 2014 年 12 月には Yammer 強化月間として、「Yammer 10 days」というトレーニング イベントも開催。これは 2~ 3 分程度でできる Yammer のトレーニング課題を 10 日間毎日出題し、これらを順にクリアしていくことで、Yammer の基本的な活用方法が体感的に理解でき、全てクリアした人はプレゼントがもらえるという企画です。

「Yammer 10 days の運営は技術統括室のメンバーで行いました。皆さんに楽しんで参加してもらえるよう、日々工夫を凝らしました」と話すのは、伊藤忠商事 IT企画部 技術統括室の福田 祐也 氏です。その 1 つとして生み出されたのが「ヤマー チャン (Yammer Chang)」という女性キャラクター。これは 2 次利用フリーとなっている漫画作品の登場人物を活用し、伊藤忠商事独自のキャラクター設定を行ったものです。「もちろん Yammer のアカウントも持っており、"教えてヤマーチャン" という質問箱への質問には、ヤマーチャン自身が回答しています。当社の Yammer におけるマドンナ的存在であり、彼女のファンになっている社員も少なからずいるようです」。

「Yammer 10 days」のプレゼントの授与式は、クリスマス イブの12 月 24 日に本社で行われ、その模様はLync Online で各拠点に配信されました。「Yammer 10 days の開催によって、Yammer の利用率は一気に向上しました」と渡辺 氏。今後も利用促進を進め、2015 年には業務遂行の必須ツールにしていきたいと語ります。

<導入効果>
Yammer で組織の壁を超えた連携と多様な働き方を支援、
Lync で離れた場所のコミュニケーションも円滑化

2014 年 12 月時点での Yammer 利用者は、まだ全社員の 1/4 程度にとどまっていますが、既に活用を始めている部署では、コミュニケーション変革に大きな貢献を果たしています。その一例として挙げられたのが、IT 企画部で行われている Yammer による業務報告です。

「IT 企画部には 4 つの室があり、以前はそれぞれの室の中でコミュニケーションが閉じていました」と渡辺 氏。室員からの報告も、室長経由で週報として受け取るしかなかったと振り返ります。しかし Yammer で業務報告を行うようになってから、渡辺 部長と室員との直接的なやり取りが可能になり、組織全体がフラットかつガラス張りになった印象だと語ります。

一方、室員として業務報告を行っている福田 氏も「投稿した報告に部長がすべて "いいね" とコメントを付けてくれるので、以前にも増して報告に張り合いがでています」と言います。また Yammer のトピック機能を活用することで、過去の報告へのアクセスも容易になっています。トピックで投稿を検索することで、そのトピックに関する報告書の一覧が表示されるからです。さらに新しいメンバーが入った際への引き継ぎが容易になることも期待できます。

IT 企画部の各室では、室会というミーティングが毎週行われていますが、その議事進行も効率化しています。事前に参加者全員が Yammer で報告を行い、それを見ながら話を進められるからです。「他の部署に対する Yammer のワーク ショップでも、Yammer による業務報告は多くの方の興味を引いているようです」 (福田 氏) 。

「私は今、新入社員の指導担当をしていますが、Yammer は新人教育にも役立ちます」と言うのは田中 氏です。新入社員は社外の集合研修に参加する機会が多く、社内の指導担当者と会えない日も少なくありません。しかし社外で受けた研修内容を Yammer で報告してもらえば、新入社員の活動状況が把握しやすくなり、次にどのような手を打てばいいのかも判断しやすくなると説明します。「Yammer はスマートフォンでも使えるので、若い人にとっても使い勝手がいいようです」。

産休などで職場を離れていた女性社員の職場復帰にも、Yammer は有効だと渡辺 氏は指摘します。部署の業務内容が Yammer に投稿されていれば、自宅から職場で何が起きているのかを把握できるため、ブランクを感じることなく仕事が始められます。人事・総務部では産休および育休中の社員を支援する「産休・育休コミュニティ」を Yammer で立ち上げていますが、これも働く女性が情報交換を行う場として、積極的に活用されています。

「伊藤忠商事では 2010 年に社員用託児所 "I-Kids (アイキッズ)" を開園しました。そこで遊んでいる子どもたちの様子を Yammer に投稿する、といったことも行われています。今後は部内だけではなく、他の組織との連携も Yammer で強化すると共に、多様な働き方の支援もさらに拡大していきたいと考えています」 (渡辺 氏) 。

もちろんコミュニケーション変革を担っているのは Yammer だけではありません。Lync Online も重要な役割を果たしています。

「Lync の在席確認機能 (プレゼンス機能) は、とても便利です」 (田中 氏)。離れた場所にいるメンバーとやり取りする時に、まず相手の在席状況を確認し、その状況に合わせてコミュニケーション手段を選択できるため、離席中や話し中で会話できないといったロスを削減でき、外出先から連絡する場合にも適したツールだと語ります。

IM (インスタント メッセージング) も積極的に使われています。ちょっとしたやり取りを行いたい時には短く要件だけを伝えることができ、メールに比べて格段にレスポンスのいいコミュニケーション手段だと評価されています。

Lync の Web 会議は、東京・大阪の本社間や、本社と国内拠点、海外駐在員との会議などに活用されています。資料共有も簡単に行える顔の見えるコミュニケーションによって、細かいニュアンスが伝わりやすくなったと言います。

SharePoint Online は、主に外部の取引先とのファイル共有に活用されています。メールでは送れないサイズのファイルを SharePoint の共有フォルダーに置き、そのフォルダーへの招待を行うことで、社外との情報共有を実現。双方向での資料のやり取りに加えてバージョンの管理も容易になっています。

「教えて!ヤマーちゃん」の投稿ページ。Yammer に関するさまざまな質問を、YAMMER CHANG が親切丁寧に回答してくれる。 [拡大図]新しいウィンドウ


「Women's network」 の投稿ページ。産休および育休中の社員を支援する産休・育休コミュニティ。働く女性が情報交換を行う場として積極的に活用されている。 [拡大図]新しいウィンドウ

<今後の展望>
グループ会社や海外拠点にも横展開、
情報武装 No. 1 商社を目指す

「今後は他のインフラも整備して社内での利活用をさらに推進すると共に、グループ内企業への横展開も進めていく予定です」 (渡辺 氏) 。また利用者がツールのポテンシャルを最大限に発揮できるよう、社内研修や認定制度を整備していくことも計画されています。その 1 つとして進めているのが「シェアポ マスター」という社内認定制度です。これは研修を受講して試験に合格することで、レベルに応じた称号と認定ステッカーを社員に授与するというもので、SharePoint の活用知識を深めてもらうことをねらっています。

「このような一連の活動を積極的に行うことで、社外でも社内と同じように働けるワーク スタイルを定着させたいと考えています。伊藤忠商事は、情報武装 No. 1 商社を目指していきます」 (渡辺 氏) 。

Yammer 強化月間として社内で開催した「Yammer 10 days」のアクテビティ カレンダー。 [拡大図]新しいウィンドウ


「Yammer 10 days」の配布用ビラ。さまざまなプレゼント企画も実施。 [拡大図]新しいウィンドウ

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