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導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • 効率化
  • 最適化
  • コスト
  • 販売管理

株式会社 IDC フロンティア

 様に導入

クラウド化の推進に向け、社内の業務プロセスの全面刷新を決定。Microsoft Dynamics AX による販売管理システムを導入し、見積書作成から決裁申請までのステップを改善。さらに、CRM との連携で、データ活用の省力化も実現

株式会社 IDC フロンティア

株式会社 IDC フロンティア

株式会社 IDC フロンティアは、Yahoo! JAPAN グループのデータセンター専業事業者です。同社では近年のデータセンタービジネスの発展、とりわけクラウドサービスの提供に伴う利用の急増に対応するため、全社的な業務プロセスの刷新を 2010 年度から開始しました。その手始めとして Microsoft Dynamics AX による新たな販売管理システムを構築し、見積書作成の迅速化を実現。さらには CRM システムとの連携やテンプレートの活用による情報入力作業の省力化など、顧客対応と業務管理の両面で大幅な効率アップを実現しています。

<導入の背景とねらい>
クラウド化の積極的推進に向け
全社の業務プロセスの刷新を決定

株式会社 IDC フロンティア
技術本部
情報システム部
担当課長
内山 大輔 氏

ネットワーク化の進展の中で、データセンターの果たす役割が日々重要さを増しています。従来も言われてきた 365 日、24 時間体制での安定稼働や堅牢なセキュリティに加え、多様化する利用者のニーズに即応できるフレキシブルな構成や利用環境への要求は高まる一方です。特に近年の急速なクラウド化は、爆発的な利用者数の増加と活用スタイルの多様化をもたらし、データセンター事業者に細かな受注要件への迅速な対応と、そのための新たな体制作りを急がせています。こうしたクラウド時代のデータセンター ビジネスの課題を、Microsoft Dynamics AX によって解決しつつあるのが、株式会社 IDC フロンティア (以下、IDC フロンティア) です。

わが国の大手データセンター専業事業者の 1 つである同社では、クラウド化にもいち早く取り組んできました。2011 年度からは、従来のフル マネージドの運用以外に、ユーザーが自分でリソース管理までを行う「セルフ タイプ」と呼ばれる新しいクラウド サービスの提供を開始。一方では大規模データセンターを首都圏だけでなく、北九州や白河にも相次いで新設するなど、時代のニーズを先取りする積極的な基盤展開を行っています。

そうした IDC フロンティアが Microsoft Dynamics AX の導入検討を開始したのは、2010 年のことでした。その背景には全社的な業務プロセスの刷新計画があったと、株式会社 IDC フロンティア 技術本部 情報システム部 担当課長 内山 大輔 氏は語ります。

「クラウド化を積極的に推進していくにあたり、新しい体制を全社的に構築していくことがねらいでした。Microsoft Dynamics AX による販売管理システムの刷新は、そのプロジェクトの第一弾として行われたものです」。全社的なシステム見直しの中で販売管理システムが最初に選ばれたのは、クラウド ビジネスを進めるうえで、最も大きな克服課題がそこにあったからでした。

「見積書作成から受注、サービスインまでの流れをスムーズにすることが課題でした。また今回は、情報システム全体をこれまでのオンプレミス環境から、自社のクラウド サービス基盤へ移行するという新しい試みでもありました。これによって、システムの維持管理の効率化という本来の目的に加え、移行のプロセスで得たノウハウや基幹システム運用の実績を、今後の自社のクラウド サービス展開に活かしていくねらいがあったのです。加えて、ERP を活用した VM リソースの管理という、新しい管理手法への期待もありました」。

<導入の経緯>
見積書作成の迅速化を期待して
Microsoft Dynamics AX を選択

株式会社 エヌティ・ソリューションズ
ERP ソリューション部
部長
染矢 博文 氏

新たに導入する ERP 製品の検討がスタートしたのは、2010 年 7 月でした。まず社内要件をとりまとめ、8 月には ERP パッケージ製品の候補および構築ベンダーの選定を開始。9 月には Microsoft Dynamics AX の採用が決定され、導入のキックオフが行われました。

「とにかく早期導入を目指していたので、急ピッチで作業を進めました。そこで見積書作成の部分だけでも先にリニューアルしたいと考えて、プロジェクト開始に先立つ 2010 年 5 月には、Microsoft InfoPath を使った見積システムを内製して、そちらを稼働させながら併行で Microsoft Dynamics AX の導入を進めていったのです」。

製品の検討段階では、Microsoft Dynamics AX を含む 6 種類の ERP パッケージが候補に挙がりました。その中で Microsoft Dynamics AX が採用されたのも、最優先のテーマである見積書作成のスピードアップが期待できたからだと内山 氏は振り返ります。

「見積書作成からサービス開始までの、入力作業の迅速化が一番のポイントでした。Microsoft Dynamics AX には、たとえば顧客マスターに登録のないお客様でも見積書が作成できる、また毎回新しく明細を追加していかなくとも、テンプレートに登録した既存の見積内容をコピーして使い回せるといった、さまざまな効率化をもたらす機能が備わっていました。加えて、ユーザー インターフェイスの使いやすさも、評価の対象になりました」。

さらに内山 氏は、リーズナブルな価格も評価のポイントになったと付け加えます。

「価格に比較して、多くの機能が搭載されています。現在はまだ、それらの半分も使っていませんが、それでも十分に値ごろ感を感じます。保守コストの点でも、日本マイクロソフトのプレミア サポートを契約しているため、安心して利用できます」。

開発は 3 か月間で完了し、2010 年 12 月には、アプリケーション画面などの初回リリースが完了。続く 2011 年 1 月には契約情報を利用した月次処理のリリースなどが行われ、同時に既存システムの巻き取り計画がスタートしました。

「導入にあたっては、プロジェクトを大きく 2 段階に分けました。第 1 フェーズでは、既存システムと併行運用しながら、見積書の問題解決を最初の目標にしました。その成果を受けて、第 2 フェーズでは全社のシステムを Microsoft Dynamics AX と統合する取り組みを進めていったのです」。

第 2 フェーズでの巻き取り対象には、既存の販売管理システムに加えて営業部門の SFA や債権管理といったシステムなども含まれ、2011 年 10 月に完全な Microsoft Dynamics AX への一本化が完了しました。

<導入効果>
基幹システムの自社クラウド サービス移行で
ノウハウの蓄積とサーバー集約効果

この販売管理システム立ち上げの成果は、すぐに表れたと内山 氏は明かします。

「導入達成要件については、導入後に数値測定による定量的な評価を実施しました。その結果、見積書作成や決裁申請までの時間短縮を期待どおりに実現していることが確かめられたのです」。

具体的には、営業部門からセールス サポート部門へ見積書の作成依頼が出され、実際に見積書の作成が開始されるまで。もう 1 つは見積書の作成依頼から決裁申請を上げるまでのステップが、従来に比べて大きく短縮されました。

効率化のメリットとしてはもう 1 つ、テンプレートの活用によるデータ入力の迅速化と省力化が挙げられます。

「以前の見積システムでは、明細の入力時に商品を選ぶ操作が煩雑でしたが、Microsoft Dynamics AX では何件でもあらかじめテンプレートにまとめておけるので、わずかな時間で作業が完了できるようになりました。一度作った見積をテンプレート化できるとあって、現場のユーザーも重宝しています。また、従来はオンプレミス環境でシステムを運用していたため、メンテナンス時は自分たちがデータセンターに入館する必要があったのですが、クラウド サービスの提供を機に、われわれ情報システム部門自身も利用者としてシステムの基盤をクラウドへ移行する決断をしたのです。Windows Server 2008 R2 を載せた仮想マシンへインフラを全面的にクラウドへ移行したことで、物理サーバー 42 台が 40 台の仮想マシンに集約され、運用工数の大幅な削減と、さらに利用電力も 85% 減らす効果がありました」。

ところで今回のシステムには、ぜひ注目したい工夫が凝らされています。同社では今回の Microsoft Dynamics AX と、先に導入されていた Microsoft Dynamics CRM とを連携させて、データセンターの利用契約に関わるハードウェアやネットワーク、IP アドレス、DNS などの構成情報を一元管理する「構成管理システム」として活用しているのです。この連携は、Microsoft Dynamics CRM で標準提供されるコネクタを利用しています。

「受注した案件の見積に追加される明細の 1 件ずつが、 "契約" と呼ばれる管理情報になります。その "契約" 情報と顧客の管理情報の連携が主な目的です。この連携によって、新しく見積書を作成する際も、そのつど手作業で情報を入力しなくて済み、再入力の手間はもちろん入力ミスなどのトラブルも防げるようになります。今回 "再入力は御法度" をスローガンに、リアルタイムに連携するシステムを目指した成果だと言えます」。

具体的なアーキテクチャ連携としては、Microsoft Dynamics AX に受注情報が入力されると、Microsoft Dynamics CRM を Microsoft BizTalk Server から標準コネクタ経由でキックして、Microsoft Dynamics CRM 側の情報と連携するしくみで構成されています (図参照) 。

こうした一連の Microsoft Dynamics AX 導入をサポートしたのが、株式会社エヌティ・ソリューションズでした。株式会社エヌティ・ソリューションズ ERP ソリューション部 部長 染矢 博文 氏は、「今回ご提案からカットオーバーまでを一気通貫で担当させていただいたことは、当社にとっても大きな自信になりました。短期導入を始め厳しい要件をいくつも承りましたが、結果として新しいノウハウを蓄積させていただくことができたと感謝しています」と振り返ります。

システム構成図

システム構成図 [拡大図]新しいウィンドウ

<今後の展望>
現場の要望と自社業務に
最適化されたシステムを目指す

株式会社 エヌティ・ソリューションズ
ERP ソリューション部
Dynamics サービス課
係長
神戸 豪文 氏

今後も IDC フロンティアでは、全社システムの業務プロセス刷新プロジェクトを引き続き推進していくことはもちろん、全面稼働から満 1 年を迎える新販売管理システムのブラッシュアップを進める計画が着々と進んでいます。

「Microsoft Dynamics AX の導入後、改善要望が現場から次々に上がってきています。その中でも優先順位の高いものを、できるだけ急いで進めたいと思っています。具体的な例としては、データ精度のアップがあります。たとえば毎月末に売上を締めている月次処理データや、営業管理機能の中にある "売上見込み" や "活動見通し" といった予測値の精度をより向上させていくことが目標です。また、見積書はまだまだ必要とされるシーンもあり今後も改善を続けていきますが、その一方で見積のシミュレーションを Web サイトで提供するなど、お客様の要望に応じて新たな取り組みをしていきたいと考えています」。

今あるデータだけでなく、そうした未来の判断指標となるデータの信頼性を高め、経営や営業判断のツールとして提供できるようにすること。加えてそれらのデータの処理を自動化し、省コストと省力化を推し進めることなどを、内山 氏はこれからの重要なミッションとして掲げます。

これに応えて株式会社エヌティ・ソリューションズ ERP ソリューション部 Dynamics サービス課 係長 神戸 豪文 氏は、「そうした細かなご要望にお応えするため、当社もスピード感をもって対応できるよう、オンサイトでチームワークを取りながら、よりよい提案を差し上げたいと願っています」と抱負を語ります。

さらに、「現在 Microsoft Dynamics AX の標準機能だけでまかなっている会計や請求情報管理などを、当社の業務に最適化させる取り組みも進めていきたい」と、 "新しいシステム" から "当社のシステム" へのステップアップを目指す内山 氏。まさに「フロンティア=開拓者」の名にふさわしい熱意で、同社はクラウド時代のデータセンター ビジネスを支える情報基盤の可能性を探っていきます。

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