612
導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • コミュニケーション
  • コスト

本田金属技術株式会社

 様に導入

情報共有基盤を Lotus Notes から Microsoft Office 365 へと移行
グローバルな拠点連携をスピードアップ、TCO 半減も可能に

本田金属技術株式会社

本田金属技術株式会社

アルミ精密金型鋳造のパイオニアとして、軽量化を可能にする自動車部品を国内外に供給し続けている本田金属技術株式会社。ここでは社内の情報共有基盤を、Lotus Notes から Office 365 へと移行しています。その最大の目的は海外拠点間の連携強化。グローバル レベルで活用できるクラウド サービスによって、世界的な情報共有基盤を確立しつつあるのです。また初期コストや運用負担も大幅に低減され、TCO も半分以下に削減。消費電力も 1/3 以下になると試算されており、環境面でも大きなメリットがあると評価されています。2012 年 1 月には Microsoft Exchange Online と Microsoft SharePoint Online の活用が始まっており、Microsoft Lync Online の展開も進みつつあります。新たなコミュニケーション手段によるワーク スタイルの変革にも期待が寄せられています。

<導入の背景とねらい>
ビジネスのボーダーレス化に対応するため
情報共有基盤刷新でグローバル連携を強化

自動車エンジン向けピストン

自動車エンジン向けピストン

本田金属技術株式会社
代表取締役社長
成田 洋介 氏

本田金属技術株式会社
執行役員
管理本部 副本部長
兼 管理部長
竹田 淳一郎 氏

本田金属技術株式会社
管理本部
管理部 ITブロック
ブロックリーダー
主幹
解良 文男 氏

社内の情報共有基盤として重要な役割を果たしているグループウェア。日本では 2000 年ころから急速な勢いで普及が進んできました。しかし従来型のグループウェアの中には拠点ごとに導入するタイプのものが多く、拠点間の情報共有が難しいことも少なくありません。特に海外拠点との間では、古いグループウェアの存在が、円滑な情報共有のハードルになっているケースが増えています。

この問題を Office 365 で解決しているのが、本田金属技術株式会社 (以下、本田金属技術) です。同社は Honda (本田技研工業株式会社) 創業者の実弟である本田 弁二郎 氏によって設立された自動車部品メーカー。アルミ精密金型鋳造のパイオニアであり、高効率かつ高性能なエンジンを支えるエンジン部品や、車体軽量化を可能にする車体部品などを、国内外の企業に供給しています。また 2006 年 3 月には株式会社メッツ (以下、メッツ) をグループ化。アルミよりもさらに軽量なマグネシウム合金による部品製造も推進しています。

「自動車業界を取り巻く環境は近年大きく変化しており、大型・中型車から小型車へのシフトが急速に進みつつあります」と自社の事業環境について説明するのは、本田金属技術株式会社 代表取締役社長の成田 洋介 氏。その中で環境対応技術へのニーズも高まり続けていると言います。「私たちは自社の持つ軽金属鋳造技術をアピールすると共に、製品開発や供給のスピードを高めることで、このような社会ニーズに貢献していくべきだと考えています」。

そのための前提条件になるのが「拠点間連携のスピードアップです」と指摘するのは、本田金属技術株式会社 執行役員 管理本部 副本部長 兼 管理部長の竹田 淳一郎 氏です。本田金属技術グループは国内 5 拠点、世界 6 か国 9 拠点でビジネスを展開しており、最近では複数拠点が関与するバリュー チェーンが増えているのだと説明します。「たとえば米国で必要な部品をタイで生産したり、中国で製造した部品を日本で加工して米国に供給するといったことが、日常的に行われています。仕事の進め方はどんどんボーダーレスになっています」。

しかし以前のグループウェアは、このようなボーダーレスな環境に適合していなかったと竹田 氏は振り返ります。本田金属技術では 2000 年ころに Lotus Notes を導入し長年にわたって使い続けてきましたが、海外拠点や取引先との情報共有が難しいという問題を抱えていたのです。「ビジネスのボーダーレス化によって、日本を経由しない拠点間の情報共有はかつてなかったほど重要になっています」と成田 氏。グローバル連携に適合した情報共有基盤をいかにして実現するか。これが大きな課題になっていたのです。

<導入の経緯>
4 つの要件を掲げ次世代基盤を検討
企業導入実績を評価し Office 365 を採用

この課題を解決するため、次世代情報共有基盤の検討を開始したのは 2009 年。その直接的なきっかけになったのは「Lotus Notes のサポート期限切れでした」と、本田金属技術株式会社 管理本部 管理部 ITブロック ブロックリーダー 主幹の解良 文男 氏は振り返ります。同社は 2000 年に Lotus Notes を導入した後、2004 年にバージョンアップを行っていますが、そのサポート期限が 2010 年に迫っていたのです。

「Notes のバージョンアップやインストールには手間も費用もかかり、サーバーの購入費や維持費も高いため、IT 予算を戦略的なシステム開発に回すことが難しいという問題がありました。また Notes はアーキテクチャが古く、現在の Web や SNS の流れにうまく乗っていない点も気になっていました。そのため Notes を再びバージョンアップするのではなく、根本から見直す必要があると判断したのです」 (解良 氏) 。

次世代情報共有基盤への要件は大きく 4 点ありました。まず第 1 は、災害や停電が発生してもビジネスが継続できること。これは東日本大震災以降、その重要性はさらに高まっていると解良 氏は言います。第 2 はこれまで使ってきた Notes の機能を継承できること。第 3 は海外拠点やグループ会社をカバーしたグローバルな情報共有が可能なこと。そして第 4 が、メールやドキュメント共有だけではなく、リアルタイムの Web 会議が可能なことです。

その一方で TCO の削減も重要なテーマになりました。社内にハードウェアを設置するシステムでは、TCO の大幅な削減はできません。必然的にクラウド サービスの採用を前提に、検討が進められることになったと言います。

最初に 5 種類のクラウド サービスを取り上げ、比較検討を実施。そこから Office 365 と Google Apps へと絞り込まれ、最終的に Office 365 が採用されています。それではなぜ Office 365 が選ばれたのでしょうか。「ミッション クリティカルな業務での採用など、マイクロソフトが他社に比べ、エンタープライズ分野での実績を持っていたことです」と解良 氏。しかし両者の違いは他にも数多くあったと言います。

その 1 つが社内情報基盤との親和性です。企業内ではオフィス ツールとして Microsoft Office が幅広く採用されており、ディレクトリ サービスも Active Directory が一般的です。これらとの親和性は、当然ながら Office 365 の方が圧倒的に高いのです。

Web 会議も Office 365 の方が実現しやすいと言います。サービス メニューに Lync Online がラインアップされているからです。

コストも Office 365 の方に優位性があったと言います。「基本機能だけなら Office 365 よりも安価に見えるものもありましたが、当社の要求内容を満たすにはさまざまなオプションを追加する必要があり、コストを積み上げると Office 365 よりも高くなりました」と解良 氏は説明します。

そしてもう 1 つ重要な評価ポイントになったのがサポート力です。「他社製品は、製品選定段階でサポートに若干の弱さを感じましたが、マイクロソフトはサポート スタッフが揃っており、サービス リクエストに対するレスポンスも速い。またユーザー コミュニティも充実しているため、必要な情報を集めやすいというメリットもあります」 (解良 氏) 。

このような徹底的な比較検討を経たうえで、2011 年 6 月に Office 365 の採用を決定。7 ~ 9 月に移行設計、10 ~ 11 月にユーザー教育を行い、2012 年 1 月に Exchange Online と SharePoint Online を同時に本番稼働させています。本田金属技術だけではなく、グループ会社のメッツにも展開されており、ユーザー数は約 900 名に上っています。

図 1:Office 365 を採用した理由

図 1:Office 365 を採用した理由 [拡大図] 新しいウィンドウ

図 2:コスト面から見た導入効果

図 2:コスト面から見た導入効果 [拡大図] 新しいウィンドウ

図 3:環境面から見た Office 365 の導入効果

図 3:環境面から見た Office 365 の導入効果 [拡大図] 新しいウィンドウ

<導入効果>
拠点間コミュニケーションのスピードが向上
TCO も半分以下に削減、環境面でも大きな効果

Lotus Notes からの移行で大きな課題になるのが、既存機能をどれだけ再現できるかということです。本田金属技術では、メール、スケジュール、施設予約、各種申請ワークフロー、勤怠管理、ナレッジ DB といった幅広い機能が、問題なく Office 365 へと移行されています。その他のアプリケーションは事前に棚卸しを行った結果、ほとんどが不要だと判断されました。Notes 上には基幹システムの一部も作り込まれていましたが、これに関しては将来のクラウド化を視野に入れ、今後再構築される予定になっています。

「システム構築とユーザー教育を並行して進めていきましたが、短期間で導入ができ、移行も実にスムーズでした」と解良 氏。ユーザー インターフェイスは以前と変わりましたが、最近のユーザーは Web アプリケーションの使い勝手に慣れているため、Office 365 の方がむしろ違和感がないと言います。「メールボックスのサイズも、以前はサーバーの制約で 1 人あたり 150 MB に限定されていましたが、今では 25 GB まで使えます。頻繁にアーカイブして保存する必要がなくなったので、ユーザーの利便性は高まっています」。

IT 部門の運用負荷も軽減しています。以前は年間延べ 1,460 時間がメールおよびグループウェアの運用に費やされていましたが、これがほとんど不要になりました。またシステム導入の初期費も大幅に低減しています。その結果、6 年間のトータル コストは半分以下に減少。Notes 上で作り込まれた基幹システムの再構築コストを含めても、TCO は以前より低下するはずだと言います。

環境面でもメリットがあります。本田金属技術の社内資料によれば、Office 365 への移行によって年間消費電力量が 1/3 以下になると試算されています。社内における CO2 の排出量も 1/3 以下になり、年間電力料金も大幅に削減されると予測されています。

Office 365 への移行はこのようにさまざまな効果をもたらしていますが、最大のメリットはもちろん、拠点間の情報共有スピードの向上にあります。「海外拠点間が連携する場合でも、日本を介する必要がなくなる日も遠くありません」と成田 氏。ガバナンスのために日本拠点が関与すべきケースも少なくありませんが、その場合でも日本が間に入る形ではなく、複数の拠点が同時に参加する形でコラボレーションが行えるようになると言います。「Office 365 はグローバルな情報共有のスピードアップに、大きな貢献を果たすと期待しています」。

ワーク スタイルの変革も期待されています。以前は社外からナレッジ DB にアクセスするために、PC の持ち出し申請と、社内ネットワークに接続するための申請が必要でした。しかし現在では PC 持ち出し申請だけで対応できます。クラウド サービスなので社内ネットワークにアクセスする必要がないからです。また Office 365 に標準で用意されている SNS 機能によって、SNS ポータルも実現されています。これも新しいワーク スタイルを生み出す原動力になると期待しています。

社内ポータル画面 1

社内ポータル画面 1 [拡大図] 新しいウィンドウ

社内ポータル画面 2

社内ポータル画面 2 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
モバイル デバイスでワーク スタイル変革を加速
Lync Online の Web 会議にも大きな期待

ワーク スタイル変革を推進するため、モバイル デバイスの積極活用も計画されています。2013 年 3 月末までには、スマートフォンやタブレットの導入を進めていく予定です。また現在はまだ許可していませんが、長期的には BYOD (Bring Your Own Device、ユーザーが個人所有のデバイスを会社の業務で使うこと) も検討されています。「セキュリティ ポリシーの見直しも含め、総合的な検討を進めてほしいと考えています」 (竹田 氏) 。

その一方で Lync Online にも期待が寄せられています。Web 会議を日常的に使える環境を整備することで、コミュニケーションのあり方を根本から変えていくことも視野に入っているのです。既に一部の海外ユーザーは利用を開始しており、2013 年度下期には国内展開も始まる予定です。「これまでコミュニケーション ツールの主役は電話とメールでしたが、新しいツールが加わることで、仕事のやり方も変わっていくはずです」と成田 氏。これによって社員のポテンシャルを引き出しやすくなり、社員満足度も高くなっていくはずだと言います。

急速に変化しつつある業界で成長するには、全社一丸となって次につながる挑戦を続ける必要があります。本田金属技術が採用した Office 365 は、そのための基盤として重要な役割を担いつつあるのです。

コメント