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ホーチキ株式会社

 様に導入

Office 365 の導入で運用保守業務を大幅に削減。創業 100 周年に向け、新たな情報基盤構築の取り組みを強力に推進

写真:ホーチキ株式会社

ホーチキ株式会社

わが国最初の火災報知機メーカーとして約 1 世紀にわたる歴史を誇り、現在では防災に関するあらゆるソリューションの開発、製造から販売、施工、保守までを一貫して提供しているホーチキ株式会社。同社では 2018 年の創業 100 周年を目前に控え、次の新たな 100 年に向けたさまざまな業務改革の取り組みを進めています。2015 年 2 月には、長年オンプレミスで自社運用してきたメール システムを Microsoft Office 365 に移行。将来的に SharePoint Online などとの連携も視野に入れ、モバイル活用、そしてユニファイド コミュニケーションなどの導入に向けた情報基盤づくりに一丸となって取り組んでいます。

<導入の背景とねらい>
次の 100 年を担う情報基盤の構築とワーク スタイル変革に向けて

今や防災は、従来のような国民生活の安全や財産の保全といった領域にとどまらず、BCP やディザスタ リカバリといったビジネスや経済の最重要テーマのひとつでもあり、大都市を中心にその重要性は急速に高まり続けています。そうした新たな時代の要請に応えるため、会社創業 100 周年を機に、さらなる飛躍を目指して社内情報システムの整備に着手。その一環として、長らくオンプレミスで運用してきたメール システムを Office 365 に移行し、ワーク スタイル変革に向けた情報インフラの刷新を着々と進めているのが、ホーチキ株式会社 (以下、ホーチキ) です。ホーチキ株式会社 情報システム部 部長 酒井 秀二 氏は背景を語ります。

写真:ホーチキ株式会社 情報システム部 部長 酒井 秀二 氏

ホーチキ株式会社
情報システム部
部長
酒井 秀二 氏

写真:ホーチキ株式会社 情報システム部 IT推進課 課長 鈴木 智 氏

ホーチキ株式会社
情報システム部 IT推進課
課長
鈴木 智 氏

「2018 年に創業 100 周年を迎える当社では、次の新たな時代の成長と躍進を目指して、さまざまな中期ビジョンが経営トップから示されています。IT 管理の効率化や新しい情報技術の導入も重要なテーマのひとつであり、今回のメール システムの移行、刷新もそうしたロードマップ上に位置付けられています」。

すでに基幹系の刷新は 2012 年に完了し、現在は 3 年後の創業 100 周年に向け、情報系基盤の整備を急ピッチで進めているところです。

今回の Office 365 の導入は、そうした情報系基盤リニューアルの第 1 弾というべきもので、これまで自社で運用してきたオンプレミスのメール システムをクラウドへ移行し、運用面での大幅な省コスト化と効率化を図るのがねらいでした。旧メール システムはすでに老朽化が進み、運用負荷の増大やトラブルが頻発していたと、ホーチキ株式会社 情報システム部 IT推進課 課長 鈴木 智 氏は振り返ります。

「メールのデータ量が急速に増えてきても、オンプレミスではディスク容量をすぐに増やすことはできません。このため、いつもディスクは満杯状態でした。また大容量の添付ファイルが送信できないといった苦情も、エンドユーザーから寄せられていました。当社のビジネスの成長や変化に、メール システムが追いつけていないのは明らかです。そこでビジネスに負けない、逆にビジネスをドライブできるだけのパワフルなメール システムに移行しようと考えたのです」。

移行にあたっては、単純にデータ容量の大きなシステムに換えるのではなく、「次の 100 年に向けた成長を支える情報基盤整備の第一歩となるものを」との方針が確認されました。

「この背景には、システムを新しくするだけでなく、将来の情報共有や利活用を支える情報系基盤という大きな視点で取り組むことで、今回のリニューアルを新時代に向けたワーク スタイル変革のきっかけにしようという全社的な議論がありました」(酒井 氏)。

また移行にあたっては、各部署に点在する多様な業務システムとの統合、連携が可能な製品を選ぶことで、運用コストの大幅な削減、さらに情報コミュニケーションを通じた営業機会の創出を目指そうという期待もあったと酒井 氏は明かします。

<システム導入の経緯>
スムーズな移行とマイクロソフトとの信頼関係から Office 365 を採用

メール システムの移行プロジェクトが始まったのは、2014 年 4 月でした。4 か月をかけて入念に社内の課題をまとめ、8 月には RFP を作成。9 月には各ベンダーからの提案の比較検討に入りました。この時点で、すでにクラウドへの移行を念頭に置いていたと酒井 氏は言います。

「やはり運用負荷の軽減を考えると、選択肢はクラウドだと考えました。そこでさまざまな製品やサービスを検討した結果、Office 365 と Google Apps の 2 つを具体的な比較対象としました」(酒井 氏)。

最終的に Office 365 を選択した理由のひとつに、鈴木 氏は「エンド ユーザーの利用環境を大きく変えずに済む」ということを挙げます。
同社は旧システムでは、Microsoft Office Professional Plus で Microsoft Outlook を利用していました。新しいシステムに移行した後も、大きく操作環境を変えないことが、よりエンド ユーザーにとって負荷の少ない移行につながると考えたのです。

この評価に加わった、ホーチキ株式会社 情報システム部 IT推進課 係長 佐野 貴章 氏は、次のように振り返ります。

写真:ホーチキ株式会社 情報システム部 IT推進課 係長 佐野 貴章 氏

ホーチキ株式会社
情報システム部 IT推進課
係長
佐野 貴章 氏

「Google だと、メールの送受信などの操作は基本的にブラウザーを使わなくてはなりません。これまでの Outlook の画面から突然ブラウザーベースのユーザー インターフェイスへ変わった場合、PC 操作に慣れていない年輩の社員などは使い方がわからなくなってしまう懸念がありました。そうした混乱を防ぐためにも、Office 365 を選択すべきだと評価したのです」。

採用のもうひとつの決め手となったのは、日本マイクロソフトに対する長年の信頼でした。同社では Office Professional Plus 以外にも、さまざまなマイクロソフト製品を利用しています。そうした実績や、マイクロソフトが、同社の業務に対する知識を豊富に持っているといった面が高く評価されました。

「運用負荷の軽減と TCO の削減を目指すため、最初からクラウドを念頭に移行先のソリューションを検討しました。マイクロソフトのクラウドは、必要十分な機能はもちろんのこと、最初から企業エンタープライズを対象にリリースされた製品ならではの安心感や、長年の実績に基づく信頼関係、さらに、コスト面でも期待に十分に応える提案だったことから、お互いにベストのパートナーになれると判断しました」(酒井 氏)。

また、RFP には Office 365 の標準機能だけではサポートできない仕様も一部あったのですが、Office 365 にはサードパーティ製のソリューションが豊富に提供されているため、組み合わせて利用することにより、当初の方向性や目的に合わせることができました。
標準仕様の機能や統合性の高さだけでなく、こうした拡張性、柔軟性の高さにおいて、将来的にも安心して利用できるクラウド サービスであるという点も Office 365 の導入決定の要因のひとつでした。

2014 年 11 月下旬には、正式に採用が決定。明けて 2015 年 2 月下旬には移行が完了し、全社での利用が始まりました。今回のメール システム移行で、ホーチキが導入した Office 365 は 1300 シート。フロント エンドは旧システムと同じ Outlook なので、エンド ユーザーにとっての操作性は以前とほとんど変わりません。

とはいうものの、オンプレミスからクラウドへの移行にあたっては、最初に細かな事前設定が必要です。たとえば、新しいメール システムは既存の Active Directory と連携することになるため、ユーザーはあらかじめ Active Directory 上のパスワードをメール システムに合わせて変更しておくといった作業が要求されます。そこで同社では移行の 2 か月前から、社内に早めの設定変更を繰り返し呼びかけた結果、移行はほとんど混乱もなく完了。その後の問い合わせ件数も、想定をはるかに下回るものだったといいます。

「変更を呼びかけるだけでなく、詳細な設定変更の手順書を作成してグループウェア上に公開し、これを見ながらだれでも自分で作業が行えるようにしました。これも、必要以上の問い合わせが発生しなかった大きな理由のひとつだと思っています」(佐野 氏)。

<導入効果>
保守や障害対応から解放され、高品質なシステム運用が実現

Office 365 への移行がもたらしたメリットの中でも筆頭は、やはり運用負荷の大幅な軽減だと鈴木 氏は強調します。

「オンプレミスの旧システムでは、ディスク容量とサーバーの負荷を毎日モニタリングしなくてはなりませんでした。それが Office 365 になってからは一切不要になり、日常の運用業務時間が大きく減少しました」(鈴木 氏)。

これまでは 1 日あたり 1 時間弱の作業時間が必要だったことから、月ベースで積算すると延べ 30 ~ 40 時間の工数削減になります。正確な削減数値の測定はこれからですが、鈴木 氏はサーバー保守やバックアップの工数もかなりの割合で削減できると見積もっています。

システム構成図

システム構成図 [拡大図] 新しいウィンドウ

これら管理工数の改善に加えて酒井 氏は、障害時のロス タイムや長期視点での TCO といった、直接は見えにくい部分でのコスト削減に、より大きな期待を抱いています。2014 年まで同社では、旧システムの老朽化によるトラブルが頻発していました。いったんメール システムが止まってしまうと、そこでのロスは管理工数にとどまらず、意思決定の遅れや利益逸失といった大きな損害につながります。それが Office 365 になってからは、そうしたリスクが解消。さらにクラウドとあって、自社で行う日々のメンテナンス作業がゼロになりました。

「この保守の工数がまったくなくなるというのが、非常に大きいですね。実は検討段階でオンプレミスとクラウドのコスト比較も実施したのですが、初期コストだけでなく向こう 5 年間の運用までを含めて TCO を比較した結果、これはやはりクラウドだという確信を得ていました」(酒井 氏)。

運用負荷の劇的な減少は、ランニング コストの削減のみにとどまらず、情報システム部の業務品質そのものを底上げする効果があると同社では期待しています。現在の情報システム部では、限られた人数で複数の業務を兼任しています。これまでは日常の運用保守作業が大きな負担となっていたうえ、いったん障害などが発生するとその対応に追われ、他の業務に手が回りにくくなることもしばしばでした。

「そうしたルーティン ワークやトラブル シューティングをすべてクラウド側に預けてしまえるようになりました。その結果、システム企画や改善プランの検討など、情報システム担当者としてより本質的な業務に注力できるようになり、自社のビジネスへの貢献を高めていけると期待しています」(酒井 氏)。

<今後の展望>
社内に受け継がれたレガシを活かしつつ、Office 365 を活用した多彩なサービス展開でワーク スタイル変革を目指す

ホーチキでは、今回の Office 365 導入を新たな情報基盤整備の第一歩ととらえ、将来の多彩なサービス展開に向けた議論や具体的なイメージ創りを急ピッチで進めています。酒井 氏は、「新しいサービスを創出するにしても、今までなかったものを急に導入するのではなく、これまで利用してきたレガシをいかに的確かつ効率的に移行していくかが重要なポイントになる」と指摘します。
同社には長い歴史を通じて受け継いできた多くのソリューションやノウハウ、業務スキームがあります。これらを十分に活かしつつ新しいシステムに移行していくには、小さな成功体験の積み重ねが不可欠だというのです。

「たとえばメールにしても、新しい Office 365 の Skype for Business Online のインスタント メッセージを使ってみて、『これなら仕事に使える』と実感してもらうことが大切です。そうした体験が各自の中に蓄積されて、いつの間にか会社全体が新しいシステムを使いこなすようになっているのが理想です」(酒井 氏)。

「今回のメール システム移行をワーク スタイル変革の一環ととらえ、その実現のプロセスとして Office 365 を導入したという側面もあります。今後は、Office 365 というインフラを使って、どのように社員の働き方を変え、満足度を上げていくかを考えていきたいですね。Office 365 には、その可能性が十分にあると考えています」(鈴木 氏)。

中期的な展望では、Office 365 に含まれる Skype for Business Online を利用したコミュニケーションやモバイル連携、さらに SharePoint Online や Exchange Online とのデータ連係によるコラボレーションなども視野に入れながら、今後の情報系のリニューアルを進めたいと情報システム部では考えています。そうした試みのひとつとして、最近では年 1 回の幹部社員向けカンファレンスで Skype for Business Online のプレゼンテーションを実施。経営陣から業務への活用を期待する声が挙がるなど、着実な成果を挙げています。

「これからも社内の各部署から『これ、仕事に使えるじゃないか!』という声が次々に湧き上がってくるように、私たち情報システム部としても前向きにいろいろなツールや可能性を提案していけたらと願っています」(酒井 氏)。

次の 100 年に向けた成長と発展を目指すホーチキの歩みを、Office 365 が力強く支えていきます。

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