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株式会社HDE

 様に導入

電子メールから Yammer へコミュニケーション基盤を転換
手軽なやり取りで情報伝達の幅と速度を拡大、意思決定もスピードアップ

写真:株式会社HDE

株式会社HDE

企業のビジネス革新や競争力/生産性向上のためにクラウドとスマート デバイス分野のセキュリティ サービスを提供している株式会社HDE。ここでは社内のコミュニケーション基盤として、Yammer が重要な役割を果たしています。当初は一部の部門だけで始まった Yammer 活用ですが、東日本大震災を契機に全社員へと拡大、現在では業務遂行に欠かせない基盤になりました。これによって情報伝達の速度が圧倒的に高まり、意思決定も大幅にスピードアップ。部門の垣根を越えたコミュニケーションも活発化しています。また業務以外の情報伝達、共有の手段としても定着しており、社員どうしの団結力も強化されています。

<導入の背景とねらい>
文章入力に手数のかかる電子メール
社外からの連絡では問題に

株式会社HDE
執行役員
社長室長 兼
内部監査室長
天野 治夫 氏

社内のコミュニケーション スピードをいかにして高めていくか。これは市場や顧客に対して迅速に対応し、企業競争力を高めていくうえで、避けて通れないテーマだと言えます。その手段として社内ソーシャル ネットワーク (社内 SNS) の活用を検討している企業も少なくありません。しかし本当に社内 SNS でコミュニケーションはスピードアップするのでしょうか。

株式会社HDE (以下、HDE)は、企業のビジネス革新や競争力/生産性向上のためにクラウドとスマート デバイス分野のセキュリティ サービスを提供しているIT企業です。提供、提案するサービスとしては、SaaS への SSO (シングル サインオン) 、スマート デバイスからの情報漏えいを防ぐセキュア ブラウザ、メール誤送信防止などがラインアップされています。特にメール関連製品の使いやすさには定評があります。

「主力製品に電子メールが含まれることもあり、以前は社内コミュニケーションのほとんどが電子メールで行われていました」と振り返るのは、株式会社HDE 執行役員 社長室長 兼 内部監査室長の天野 治夫 氏。しかし電子メールによるコミュニケーションのスピード感は、決して満足のいくものではなかったと説明します。「私どもの会社では社外で活動する社員も少なくないのですが、社外と社内とのやり取りを電子メールで行うと、どうしてもタイム ラグが生じてしまいます。電子メールは手紙を模しているため形式的な体裁が必要で、その記述に時間が取られてしまうからです。また電子メールを受け取った時の確認連絡にも手間がかかります。そのため社外で活動する社員から、もっと手軽にコミュニケーションを行いたいというニーズが出ていました」。

モバイル デバイスとしてのスマートフォン利用が一般的になると、この不便さはさらに強く感じられるようになります。文字入力の手数が多いため、物理的なキーボードが使えないスマートフォンでは、メール作成により多くの時間が費やされてしまうからです。このような問題の解決を可能にしたのが、マイクロソフトが提供する「Yammer」でした。

「Yammer なら体裁を気にすることなく、チャット感覚でダイレクト メッセージを送ることができます」と天野 氏。複数メンバー間での情報共有も、目的ごとにグループを立ち上げて投稿を行うことで、ダイナミックに行えると言います。またメッセージや投稿を見た時には「いいね!」ボタンをクリックするだけで、確認連絡が完了します。メールでは不可能だったコミュニケーション スピードが、簡単に実現できるのです。

現在では HDE の全社員が Yammer を活用しており、電子メールの数は減少傾向にあります。社外とのフォーマルなやり取りでは現在も電子メールが使われていますが、その他のコミュニケーションはほぼすべて Yammer 上で行われているのです。また情報共有のためのメーリング リストもほとんど使われなくなりました。

現在 Yammer 上には約 50 のグループが立ち上げられており、投稿数は毎日 100 件以上、ユーザー間のダイレクト メッセージは 500 件以上やり取りされています。HDE の社員数は 100 名程度なので、活発なコミュニケーションが行われていると言えるでしょう。

「ほとんどの社員の PC にはいつも Yammer の画面が表示されており、社外ではスマートフォンで利用している人も多いようです」と天野 氏。「Yammer はコミュニケーションの "パラダイム シフト" をもたらしたのです」。

<導入の経緯>
一部の部門からボトムアップ型で利用が拡大
東日本大震災を契機に全社員へと定着

株式会社HDE
クラウド営業部
松井端 陽子 氏

それでは HDE ではどのようなプロセスを経て、このパラダイム シフトを実現させたのでしょうか。

HDE が最初に Yammer を導入したのは 2010 年の秋ごろでした。外出の多い社員が他社の人に勧められ、特定部門での試用を開始したと言います。当初のユーザー数は数名程度でしたが、「その中には社長も入っていました」と天野 氏は振り返ります。

これが全社規模へと拡大するきっかけになったのが、2011 年 3 月に発生した東日本大震災でした。HDE のオフィスも大きく揺れ、棚が倒れて物が破損したり、社内システムが一時的に停止するなどの被害を受けました。この時、社員の安否を確認するための社長からの第一声が、Yammer に投稿されたのです。これによって「Yammer は使える」という認識が全社員に広がり、一気にユーザーが拡大していきました。

社長をはじめとする経営層は早い時期から Yammer の活用に積極的でしたが、「決してトップダウンで社員に広げていったわけではありません」と天野 氏は説明します。社員側が Yammer の効果を評価し、それぞれが自主的にアカウントを取得するようになったのです。投稿内容に関するルールやポリシーも、特に設けられてはいません。実に幅広い内容の投稿が日常的に行われており、立ち上げられているグループの中には、業務とは無関係のものも数多く含まれていると言います。「このオフィスには昼ごろに弁当業者が配達に来るのですが、配達が来ると入り口近くの社員がこのグループに投稿し、全社員に弁当の到来が通知されるようになっているのです」。

趣味関係の同好会的なグループも数多く存在します。たとえば HDE にはバランス ボールを使っているエンジニアが多いのですが、そのきっかけになったのは Yammer 上のバランス ボール愛好グループでした。一部のエンジニアがバランス ボールのメリットを投稿したところ、その良さに目覚めてしまうエンジニアが増え、現在では約 20 個のバランス ボールが社内に置かれています。また最近はボルダリングのグループが、メンバーを増やしていると天野 氏は語ります。

「女子社員だけが参加できる "女子会" というグループもあります」と言うのは、株式会社HDE クラウド営業部の松井端 陽子 氏です。これは女子社員どうしの雑談を行うためのグループですが、半年前に中途入社した松井端 氏は、入社後すぐにこのグループに誘われたと振り返ります。「中途入社は会社に馴染むのが難しく、IT 企業では女性が少ないため特にその傾向が強くなるのですが、早い段階で女子会に参加したことで、短期間のうちに会社にとけ込むことができました」。

社員の投稿に気軽に「いいね!」できることも、社員どうしのつながりを強くする効果をもたらしています。社長や経営層も気に入った投稿に対して頻繁に「いいね!」を行うため、経営層と一般社員との間の親近感も高まっています。

このように Yammer の活用は、従来とは異なるスタイルで社内交流を活性化させ、社内の一体感を生み出しています。もちろん Yammer の効果はこれだけではありません。ビジネス スピードの加速でも、大きな貢献を果たしているのです。

<導入効果>
情報伝達と意思決定が圧倒的に高速化
部門の垣根を越えたやり取りも活発に

まず開発プロジェクトにおけるコミュニケーションが、大幅にスピードアップされました。HDE の Yammer には、製品別、サービス別に開発プロジェクト用のグループが用意されており、そこで活発なやり取りが行われているのです。誰かがアイデアを思いつくと、すぐに Yammer 上のグループに投稿します。するとそこに、他のエンジニアがアイデアをどんどん追加していきます。Yammer はオンライン上の会議室であると同時に、アイデアを誘発する道具にもなっているというわけです。

社外で活動する社員からの情報伝達も円滑化しています。

「私は社内でのアシスタント業務を担当しているので、チーム内の営業担当者がどのようなお客様を訪問しているのかを、直接見る機会がありません」と松井端 氏。しかし営業担当者が訪問先の写真を撮影し、それを「今○○を訪問しています」というメッセージと共に Yammer に投稿してくれるため、営業担当者がどのような場所で仕事をしているのか、イメージしやすいのだと言います。この投稿に対し、松井端 氏は訪問先企業の URL を検索して添付。Yammer ならサイトのサムネイルも表示されます。社外の営業担当者の活動を、社内からでも簡単に支援できるのです。「相互にお客様に関する情報を投稿しあうことで、どのようなお客様なのかを短時間のうちに深堀できます。異なるお客様を訪問している営業担当者どうしが情報を共有し、お互いに協力しあうことで、大きな案件を獲得したケースもあります」。

部門間のコミュニケーションのあり方も大きく変わっています。Yammer 導入以前、部門間のコミュニケーションは部門長が参加する定例会議だけで行われており、各部門の現場の声を直接共有することは困難でした。しかし現在では部門の垣根を越えた情報交換が、日常的に行われています。その一例として天野 氏は、次のようなエピソードを紹介します。

「HDE には "HDE OTP Generator" という、二段階認証プロセスで使用するワン タイム パスワードをスマートフォンで生成するアプリがあり、それを全世界に無償配布しています。これがある時ドイツ国内のメディアで取り上げられ、ドイツ語の評価コメントが多数寄せられたことがありました。しかしこのアプリの開発チームには、ドイツ語がわかるエンジニアはいません。そこで Yammer にこの話を投稿したところ、法務部門でドイツ語がわかる社員が反応したのです。この社員は会社帰りの電車の中でコメントを日本語に翻訳して Yammer にアップし、エンジニア達はどのようなコメントが寄せられていたのかを、短時間で理解できました」。

会議の数や時間も削減されています。Yammer が意思決定のツールとしても機能しているため、会議室に集まる必要性が小さくなっているからです。たとえば以前は毎週 2 時間程度の時間を費やしていた経営会議も、今は月に 2 回、各回 1 時間程度で済んでいます。事前に Yammer で情報をインプットし、対面で行うべき議論だけを会議室で実施、その後の TO-DO 項目や追加で必要な情報は、再度 Yammer で共有します。これによって意思決定のスピードは圧倒的に速くなりました。また決定された経営方針や戦略も、短時間で社内の全社員に伝わるようになっています。

HDE では組織の成長に伴い、2014 年 1 月にオフィスを 1 フロアから 2 フロアへと増床していますが、ここでも Yammer は重要な役割を果たしました。増床に向けたプロジェクトが 2013 年秋に発足したのですが、この時部門横断型のグループが Yammer 上で立ち上げられ、そこで新オフィスのレイアウトが決められていったのです。その結果、きわめて大胆なプランが採用し実行され、社員はもちろんのこと来客からも好評なデザインになりました。新オフィスへの引っ越しに関する Q&A も、もちろん Yammer 上で行われ、実際の作業も円滑に進んだと言います。

「短文で形式張らずに、頻繁に投稿できるのがポイントです。以前は口頭でやり取りされていた情報交換も、ほとんど全て Yammer 上で行われるようになりました。もはや Yammer は "会社の一部" であり、業務遂行に欠かせない存在になっています」 (天野 氏) 。

システム概要図 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
外部ネットワークで社外とのやり取りも
今後もさらに Yammer の可能性を追求

今後は Yammer の外部ネットワーク機能を活用し、社内だけではなく社外とのコミュニケーションを活性化することも検討されています。HDE では大学生や大学院生をインターンとして受け入れていますが、海外から応募してきた外国人インターンを対象に Yammer を利用した情報共有、コミュニケーションが行われています。

2014 年 2 月にはこれを国内のインターンにも拡大。インターンシップを終えて結局入社には至らなかった人々のうち、希望者を対象に Yammer に継続的に参加してもらうことも視野に入っています。これによってどのような人々が HDE でのインターンシップを経験したのか、後から来た人にもわかりやすくなり、一種の Know-Who ツールになると期待されています。

「このようなこともパブリックな SNS ではなく、企業ドメインの中で行うことが重要です」と天野 氏。これによって情報セキュリティを確保でき、安心して使えるからです。将来はさらに顧客とのコミュニケーションも、Yammer に取り込めれば便利だと言います。

「2014 年 1 月にマイクロソフトが開催した "Working Social Tour in Tokyo" にも参加しましたが、他の会社での活用方法を知ったことで、Yammer にはさらに大きな可能性があると感じました。人々が簡単に繋がっていくことで働き方は劇的に変化し、経営スピードもさらに高まっていくはずだと確信しています」。

Yammer のユーザー画面 [拡大図] 新しいウィンドウ
松井端 氏の Yammer 画面。社外で活動している営業担当者の活動内容が、
写真投稿によって共有されている。


スマートフォンの Yammer 画面 [拡大図] 新しいウィンドウ
松井端 氏の投稿をスマートフォンで閲覧している画面。
社外の営業担当者に社内から情報提供することで、営業活動の支援も容易になっている。

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