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導入事例

 様に導入

  • 効率化
  • 最適化
  • コスト

グリー株式会社

 様に導入

グローバルなサービス展開など、急成長を支える業務システムを効率運用するために、Hyper-V + System Center を活用。5 年先を見据えた仮想化環境を構築

創立以来、急成長を続けているグリー株式会社では、社内の基幹業務システムなどを効率的に運用、管理するために、Windows Server 2008 R2 Hyper-V と System Center を採用。同社の 5 年後の成長を見据えた高性能サーバーを仮想化してリソースを効率活用するなど、業務システムの最適化を実践しています。また、専門知識がなくても操作できる管理コンソールを備えた System Center を活用することで、技術者をシステムの運用管理から解き放ち、運用管理コストの大幅な削減を実現しています。

<導入の背景とねらい>
世界 1 億 9,000 万ユーザーを超える成長を、陰で支えるエンタープライズシステムの構築へ

グリー株式会社
取締役 執行役員 CTO開発本部長
藤本 真樹 氏

グリー株式会社 (以下、グリー) は、インターネットの普及と共に、さまざまな変化を迎えている現代社会にあって「インターネットを通じて、世界をより良くする。」という熱意から 2004 年に創業以来、急成長。2011 年 2 月には、 アメリカに GREE International, Inc. を設立。同年 12 月にはグループ全体で世界 1 億 9,000 万を超えるユーザー数を誇るソーシャルプラットフォームにまで到達する勢いを誇っています。

事業の急成長と共に人員が増加してきた同社では、創業当初にオープンソースで自作したシステムを含めて、業務システムおよび開発環境まで、異機種混在環境を保っています。そうした中、規模を増してきた業務システムを効率的により運用し、さらには PC やサーバーなどの開発環境を滞りなく供給するための施策として、新たに Windows Server 2008 R2 Hyper-V を採用。業務システムの一部が稼働するサーバーを仮想化しています。さらにリモートデスクトップのセッションホスト機能を使い、複数のデスクトップをユーザーに提供。複数 OS が混在活用している開発現場を効率よくサポートする体制を整えています。

Hyper-V を活用したこの環境整備は、急成長を続けてきたグリーが「エンタープライズシステム」を必要とするように変化した結果でもあると、グリー 取締役 執行役員 CTO 開発本部長 藤本 真樹 氏は話します。
「会社の規模が小さかった頃には予算の問題なども含めて、オープンソースを活用し、自分たちの手で業務システムを構築することを当然としていました。今でもその側面は大切にしています。しかし、一方でビジネスのスピードが非常に増しており、たとえばグローバルへのビジネス展開についても、 サンフランシスコを皮切りに、中国、韓国、シンガポール、イギリスと、一気にオフィスを開設しています。近年は国内だけでも勢いを増して人員を補強しており、パートナー各社様との関わりも増えています。そうした中で、すべての要件を自分たちの手作りで対応することは現実的ではありません。必然的に、経験豊富な IT パートナーの持つエンタープライズ向けのソリューションをうまく使っていくことも求められます」。

そして、複数あるエンタープライズ向けソリューションの中から、グリーはマイクロソフトを選択。Windows Server 2008 R2 Hyper-V と、それを効率よく運用管理するために Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2008 R2、そして、データバックアップを確実に行うために Microsoft System Center Data Protection Manager 2010 を採用しています。

<システム概要と導入の経緯>
技術者以外でも運用可能な管理製品を駆使して、業務を効率化

グリー株式会社
コーポレートIT
福島 真樹 氏

「エンタープライズシステム」を構築、運用するために Windows Server と System Center を採用した主な理由として、グリー コーポレートIT 福島 真樹 氏は、「オペレーターの確保が容易だった」ことを挙げています。

「Linux を中心としたオープンソースの世界では、スキルのある技術者を採用しなければオペレートできませんが、GUI (Graphical User Interface) を中心とした Windows の操作環境であれば手順書を読むだけで技術者以外でもシステムを維持することが可能です。そのため、システムの構築が終われば、技術者の手を離れて運用が進み、技術者は本来業務である開発に集中できるようになります。このような効率化を図れることが、採用に至った理由のひとつです」。

こうして、マイクロソフトのソリューションを選択したグリーでは、社内の開発者に向けて不足のない開発環境を提供するためにリモートデスクトップ機能を活用。Windows 以外の PC でも、Windows Server や Windows 7 のデスクトップ環境が利用できるようにしています。これにより、エンジニア用に 2 台の物理 PC を用意する必要もなく、効率的に異機種混在の開発環境を実現しています。
さらに、Hyper-V を活用して、社内に散在する業務システムのうち、一定のトラフィック量に留まっているシステムが稼働するサーバーから仮想化を実施。2011 年中に 40 ~ 50 台のサーバーの仮想化集約を終えています。仮想化の作業は現在も継続しており、2012 年中には 100 台近くのサーバーが、Hyper-V 上で稼働する予定です。

こうしてスリム化された業務システムの運用管理を効率化するために活用されているのが System Center 製品群です。

仮想化された 40 ~ 50 台のサーバーは、System Center Virtual Machine Manager によって一元的に運用、管理されています。Windows 7 や Windows XP、そのほか開発に使用するサーバー OS など何種類かのテンプレートを作成し、ランチャーをクリックするだけで開発者に提供する仮想マシンの切り出しがすぐに行えるようになっています。
さらに、System Center Data Protection Manager を活用して、スナップショットやチャイルド パーティションなど含めた仮想環境にあるすべてのデータをストレージにバックアップしています。

グリーでは、今回の仮想システム構築に必要なライセンス調達に際して、コストを最適化するために、Windows Server 2008 R2 Datacenter と System Center Server Management Suite、そして Forefront Endpoint Protection をパッケージ化したライセンス「Enrollment for Core Infrastructure (ECI)」 を選択。
「必要なライセンスを、容易に、不足なく揃えることができたことが良い点です。仮想環境構築に際しての、CAL (クライアント アクセス ライセンス) の考え方なども併せてキャッチアップできたことも評価しています」と福島 氏は話します。

システム概念図

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<システム導入の効果>
5 年先を見据えた高性能サーバーを仮想化で効率運用

グリー株式会社
コーポレートIT
嘉悦 誠之 氏

Windows Server、Hyper-V、そして System Center を実際に活用したシステムの運用について、グリー コーポレートIT 嘉悦 誠之 氏は、「大幅に効率化された」と評価しています。「第一に、サーバー実機にシステムを展開していた時に比べ、構築にかかる作業時間が大幅に短縮されたということが挙げられます。以前であればサーバー ハードウェアにマシンをインストールして、構築するまでに 2 ~ 3 日を要することもありましたが、Hyper-V と System Center Virtual Machine Manager を使った環境では 30 分程度で出来上がります。
Windows の展開もクリック 1 つで完了します。また、仮想サーバーのため、万一設定などを間違えた場合や、実験のため環境をクラッシュさせた場合でも、短時間で容易に作り直すことができます」。

そしてもう一点、嘉悦 氏が評価するのが、グラフィカルなユーザーインターフェースです。「GUI で構成された管理コンソールが多彩に用意されていて、簡単な引継ぎさえ行えば、誰でも操作ができる点を評価しています。自分たちで作り込んだシステムの場合、どうしても作った本人が一番詳しいことになり、後任へのバトンタッチが難しくなってしまう面があります。一方で、ビジネスの継続性や拡大を考えれば、後任への引継ぎが容易であるかどうかは、重要なポイントです」。

福島 氏も、System Center のユーザーインターフェイスの使いやすさについて、次のように評価しています。
「たとえば、System Center Configuration Manager の前身である Systems Management Server (SMS) の時代などは、インターフェイスも難しかったのですが、現在の System Center に関しては、かなり洗練されたと感じています。私自身、初めて触った Virtual Machine Manager を直観的に操作できました。Data Protection Manager を使ったバックアップ作業などは、専門知識がなくても、コマンドを入力せずに操作ができることにより素早くキャッチアップが可能です」。

また、今回のシステム構築に際しては、サーバー ハードウェアにも気を遣い、5 年間 365 日 24 時間のサポートが受けられるプランで調達していると、福島 氏は続けます。
「当社の 5 年後の成長予測の最大値でスペックを見積って、サーバー ハードウェアを調達しています。このリソースを Hyper-V + System Center を使って、仮想化して分割し、適宜活用していく予定です。この運用に関しては、システムの稼働に応じて動的にメモリを割り当てられる Hyper-V の Dynamic Memory 機能によって、仮想マシンの集約率を高めることができることも、ポイントになっています」。

<今後の展望>
最新のテクノロジーを積極採用し、より良いシステム環境へ

グリーの業務システムの最適化を目指す取り組みは、今後も継続的に行われていきます。その一環としてグリーではすでに、System Center の最新バージョンである “2012” の採用を予定していると、福島 氏は言います。
「実際に System Center 2012 の β 版を評価した上で、採用を予定しています。Virtual Machine Manager 2012 では、複数の仮想マシンをグルーピングして統合的に管理できるようになりましたので、サービス開発者向けの仮想マシン群を、より効率的に管理することができます。特に、開発環境の仮想化に使用している Xen Server も Virtual Machine Manager 2012 で管理できるようになるのがポイントです」。

そして、以前 Opalis という名称であった製品の新しいバージョンである Microsoft System Center Orchestrator 2012 についても、期待していると福島氏は続けます。
System Center Orchestrator 2012 は、System Center ファミリの各ソフトをつなぐためのスクリプト プログラミング ワークフレームといえるものであり、さまざまな管理ツールにわたるワークフローをスクリプト化できます。また、他社の提供する管理製品とも連携が可能。広範囲にわたってシステムの管理を効率化することに貢献する製品です。

「以前に他社の統合管理製品を使っていましたので、比較しながら β 版を評価してみたのですが、Orchestrator 2012 は使い勝手や各管理製品との親和性など含めて、優れていると感じました。Virtual Machine Manager 2012 と合わせることで、自動で仮想マシンの作成が可能ですし、社内の入退社のデータ登録や、サービス系のバッチ処理を寄せることができ、弊社でも活用していきたいと考えています」。

こうして、さまざまな最新ソリューションを積極的に取り入れていくのは、グリーの文化でもあると藤本 氏は話します。
「当社としては新しいテクノロジーやツールを、積極的に試していこうという姿勢があります。実際に使用して評価されたものは、別のチームにも広がっていきます。そうした流れを見極めて、新しいことを試しやすい環境を作っていくことが、私たちの大切な役目だと思っています」。

最後に藤本 氏は次のように締めくくります。
「当社として、単一のベンダーに依存することは避けたいと思います。ですから、複数のテクノロジーが同居する混在環境の中で、きちんとコネクティビティを保てるかどうかが重要です。たとえば、もし Active Directory で LDAP (Lightweight Directory Access Protocol) を使えなかったら、当社では採用できなかったでしょう。
そういう意味では、導入を予定している Microsoft SharePoint Server もワークフローなどと連携して使えるなど、マイクロソフトの製品も、非常に使いやすくなってきたと思います。Hyper-V も Xen Server と共存できるというのは素晴らしいと思います」。

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