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導入事例

 様に導入

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  • 最適化
  • コスト

山陰合同銀行

 様に導入

文書管理システムを統合し、全体最適化された共通基盤へ。SharePoint Server をはじめとするマイクロソフト テクノロジーを最大活用し、本部‐営業店間の「顔が見えるコミュニケーション」を促進

山陰合同銀行

山陰合同銀行

変貌を続ける経営ニーズへの対応をめざし IT システムの再整備を進めている山陰合同銀行では、その一環として、本部から営業店へ業務に関する連絡事項を伝える「通牒」や、「電子規程」など、従来は所管部ごとに個別最適化されてきた文書管理システムを統合。全文検索機能などを活用し、システム内にある膨大なドキュメントから、各人が必要とする情報へと、スムーズにたどり着ける環境を実現。この環境整備に際して、同行では Microsoft SharePoint Server や Microsoft Lync Server などのマイクロソフトのテクノロジーを最大限に活用。行員全員の在席状況やプロフィールなどを表示し、本部-営業店間で "顔の見えるコミュニケーション" を実現するなど、さまざまな成果を上げています。

<導入の背景>
変化する経営ニーズに即応し、リアルタイムで情報を配信できる環境整備への第一歩

山陰合同銀行では 2012 年度から 2014 年度にかけて取り組む中期経営計画の中で、「知恵と情熱で地域に役立つ広域地方銀行」を "目指す銀行像" として掲げ、徹底的なリレーションシップ バンキングの実践を推進しています。
そして、この経営戦略を支えるために同行の ICT 戦略も深化。お客様との接点の強化や事務の効率化、ローコスト化など、多様なニーズに対応しながら変貌を続けるビジネス モデルを支えるために、勘定系と情報系、それぞれのシステム基盤の再構築と機能強化に取り組んでいます。

山陰合同銀行
システム部
システム開発グループ
グループ長
山根 弘義 氏

山陰合同銀行
システム部
システム開発グループ
副調査役
平井 剛史 氏

その一環として山陰合同銀行では、旧来の情報共有環境にあった課題――業務に関する伝達事項を伝える「通牒」が紙主体で運用され、担当業務外の事項も含むすべての通牒を全行員に配布されていたことや、必要文書を探す際にサブシステムごとにログインして、フォルダの階層をたどって探す必要があるために情報検索に時間がかかっていたことなど――を解消するため、通牒や電子規程、ドキュメント管理など、従来、所管部ごとに個別最適化されてきた業務文書管理システムを統合。機能アップしたポータル サイトから各種の情報へ、一元的にアクセスできる環境を構築し、2012 年 6 月より利用開始しています。

行内における「情報の集約」、「情報の検索」、「情報の配信」の 3 点を強化し、さまざまな面で行員の "働きやすさ" に貢献するこのポータル サイト構築が「情報基盤改善の第一歩」になると、山陰合同銀行 システム部 システム開発グループ グループ長 山根 弘義 氏は説明します。
「経営のニーズが速いペースで変化していく状況に対し、リアルタイムで情報を配信できる環境の整備が第一に求められていました。しかし、今までの文書管理は複数のサブシステムとして稼働し、個別最適されていました。そのため、営業店から見ると "システムを横断してドキュメントを検索することができない" などの課題もありました。業務を正確に遂行するために、営業店が参照する情報や利用するドキュメントは数多く、"情報の検索性" の良否は、行員の働きやすさに大きく影響します。そこで、長年利用してきたグループウェアの更改に併せて、文書管理システムを統合することで全体最適化し、営業店の事務改善ワーキングへの貢献を図ったのです」。

山陰合同銀行 システム部では、このポータル サイトの更改と文書管理システムの全体最適をファースト ステップとして大きく動き出す同行の情報基盤再構築に際し、「Employee Satisfaction (従業員満足度)」の一歩先にある「Employee Delight (従業員を楽しませる)」の域へと到達させることを意識していると、山根 氏は話します。
「システムの詳細を詰めていく中で、一番に考えていたのは『営業店に喜んでもらいたい』ということです。そのため、システムの使いやすさを追求しています。セキュリティについては従来からのポリシーを引き継いでいますので、問題はありません。そして、全文検索の機能を付加することで検索性を高めています。使いやすく、見やすいインターフェースのポータル サイトを通じて、複数のサブシステムに収められた膨大なドキュメントを縦横に検索し、素早く探し出すことができれば、行員のワーク スタイルも、自然とより良い方向へ変わっていくでしょう」。

こうして「Employee Delight」に向けた、ポータル サイトおよび統合文書管理を中心とした情報共有環境を実現するために山陰合同銀行が選択したのが、Microsoft SharePoint Server や Microsoft Exchange Server をはじめとするマイクロソフトのテクノロジー群でした。

<システム概要>
所管部ごとに個別最適化されていた文書管理を統合。SharePoint Server によるポータルから多彩な機能や情報への一元的なアクセスを可能に

図 1 導入後のイメージ

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図 2 ポータル機能概要図

図 2 ポータル機能概要図 [拡大する] 新しいウィンドウ


図 3 発牒時のフロー

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SharePoint Server を活用し、山陰合同銀行が構築した新しい情報共有環境では、Active Directory を活用した統合認証により、通牒や電子規程を含む多様なドキュメントや情報が「統合文書管理システム」に集約されており、ポータル サイトからシングル サインオンでアクセス。高度な全文検索機能などを活用し、複数のサブシステムにまたがって、縦横に情報検索できるようになっています (図 1 参照)。

ポータル サイトのトップページには、個人の属性に合わせて選択された「新着通牒」や「新着ニュース」、「期日一覧」などの情報がすっきりと配置されているほか、Microsoft Outlook と連携した「スケジュール」や「To Do」リストなど、多彩な機能が網羅されています (図 2 参照)。

通牒に関して山陰合同銀行では、これまでは印刷して配布するのが主でしたが、今回のポータル サイト構築において、通牒発行のワークフローも SharePoint Server 上に構築。作成した通牒は、システム上で役席承認を受けると、設定した発信日に、全店の「該当者」に向けて自動的に配信されるようになっています (図 3 参照)。これにより、紙の削減に向けた準備が完了。今後、紙の削減が進むと、3,189 ㎏/年の CO2 削減にもつながると試算されています。

ポータル サイトと統合文書管理に SharePoint Server、メール システムに Exchange Server を活用し、さまざまな機能を実現したこのシステムは、Windows Server の標準機能である Hyper-V を利用して仮想化されたサーバーの上で稼働しています。山陰合同銀行 システム部 システム開発グループ 副調査役 平井 剛史 氏は次のように説明します。
「当初は VMware も検討したのですが、ライセンス費用や保守費用などコストがかさばるため、あまりメリットが感じられませんでした。一方の Hyper-V は導入実績こそ少ないものの、追加ライセンスが不要であるなど、コスト メリットは明確でした。そこで、詳細に比較検討したところ、機能面では両者に差がありませんでした。最終的に、コストに優れ、SharePoint Server などとの親和性にも優れた Hyper-V を採用しています」。
山陰合同銀行では、これら複数のマイクロソフト製品のライセンスを、コスト効率を高めて調達するために、企業向けのボリューム ライセンス プログラムである Microsoft Enterprise Agreement (EA) を締結。Microsoft Office のバージョン アップや、より柔軟なコミュニケーションを可能にする Microsoft Lync Server の導入など、「IT 投資を最大化する」テクノロジー採用ができたと山根 氏は言います。
「今回、こうしてマイクロソフトのテクノロジーを活用して情報共有環境を刷新したことについては、『初期のコスト メリット』も挙げられますが、それよりも、今後の拡張も含めて、どこのソリューションを選択することが『将来にわたって IT 投資効果を最大化することにつながるか』という視点で考えました。結果として、柔軟性のある情報基盤が構築できたと思います」。

<導入効果>
情報検索時間を約 60% 削減。さらに「在席情報」の明示などにより、顔の見えるコミュニケーションを実現

SharePoint Server をフルに活用した山陰合同銀行の情報共有環境の導入効果は、さまざまな形で表れていると言います。システム部が行った検証では、統合文書管理システムの全文検索機能などを活用することにより、必要な情報にたどり着くまでの「クリック数」および「検索時間」を、約 60% 削減できたと、同 システム部 システム開発グループ 岡田 亜紀 氏は説明します。

山陰合同銀行
システム部
システム開発グループ
岡田 亜紀 氏

「お客様のお問い合わせなどに応じて、不意に必要となったドキュメントにも、全文検索の機能を利用することですぐにたどり着けるようになりました。また制定用紙を探す際など、従来は『どのサブシステムに格納されているか』という時点で迷うこともありましたが、今は制定用紙番号を入力するだけで見つかります。その分、PC に向き合う時間を減らし、お客様と対話できる時間を増やしていただくことができるのではないかと思います」。

そして、使いやすさにこだわったポータル サイトについては、「戸惑いもなく受け入れられた」と、岡田 氏は続けます。
「導入前に本部の文書発信者を対象として 2 時間程度の研修を計 5 回実施しましたが、発牒時の操作も含めて直観的に使用してもらうことができました。サービスイン後も、ポータルについてはそれほど問い合わせもありませんでした。Outlook に関しては、従来のメール環境と比べてアドレス帳の構成などが変わったことや、スケジュール共有など高機能化されたこともあり、質問などが多く寄せられました。その後、2 週間の試行期間を経てメールの運用を Outlook に一本化したのですが、今では既にスケジュールやタスク共有の機能が積極的に使われています」。

また、重要なポイントとして「個人の属性に応じて、関わりのある通牒だけを配信できるようになったこと」が挙げられると、山根 氏は言います。
「通牒に関しては、昨年度を通じて約 1,800 件が配布されているのですが、個々の担当業務に対する通牒は、そのうちの 40 ~ 50% に過ぎません。そうした運用の中で、担当業務に関連のある内容を見過ごしてしまったり、どの通牒が特に『重要』であるかといった重みづけが分からなくなる側面がありました。しかし、今はポータルのトップに、『自分の担当業務』に関わる『未読』の通牒だけが中央に表示されるようになりました。こうした仕掛けによって重要事項の確認漏れなど、ヒューマン エラーの発生防止に貢献できるようになっています」。

図 4 役職員情報システム

図 4 役職員情報システム [拡大する] 新しいウィンドウ

そして、研修時から「予想以上に好評だった」と、3 氏が声を揃えたのが、Lync Server の存在でした。平井 氏は次のように話します。
「ポータルの新機能の 1 つに Lync Server を活用した『役職員情報システム』(図 4 参照) があるのですが、反響は大きかったです。営業店では、お客様からのご質問などに適切な対応をとるため、本部に連絡・確認を行う場合がありますが、担当者不在のため電話がつながらないこともあります。そのため、本部側でも電話の取次ぎや伝言メモ対応などが多くありました。しかし、Lync Server を活用することで、ポータルや Outlook にも行員の在席状況が表示されるようになりました。これにより、営業店から本部に問い合わせを行う際など、本人が電話に出られるかどうか、確認した上で『電話』か『メール』、そして『インスタント メッセージ』のいずれかのコミュニケーション手段を選んで、連絡することができます。しかも、プロフィールには顔写真も登録できますので、本部と営業店の心理的な距離感を縮めることにも役立つだろうと期待しています。やはり、顔も知らないまま連絡を行うのと、『顔を知っている』相手に連絡を行うのでは、温度感が異なります。Employee Delight の実現に向けて、非常に大きな可能性を持った製品だと思います」。Lync では、Outlook の予定と連携し「緑」「赤」「黄」といったわかりやすい形で在席状況を表示しています。在席状況の正しい表示がコミュニケーションを円滑に進める第一歩になっていることもあり、予定表への情報入力も促進され、ポータル・メール・予定表・在席状況の活用の相乗効果が生まれています。

<今後の展望>
投資対効果の最大化に向け、さらなる活用と機能拡張を

最後に山根 氏は、山陰合同銀行の情報基盤再構築は、まだ「はじめの一歩」を踏み出したばかりだと強調します。
「現時点において、文書管理システムの統合や、通牒の効率的な配信表示、本店と営業店で『顔の見える』コミュニケーションを行うなど、当初予定した目標はほぼ 100% 達成できたと思います。しかし、先にお話しした通り、長期的な視野で投資対効果を最大化していくというねらいがありますし、SharePoint Server にしても、Lync Server にしても、まだまだ使いこなしていくべき機能や拡張性が残されています。今後もさまざまな提案を行っていただけることを、マイクロソフトに期待しています」。

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