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導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • コミュニケーション
  • 効率化
  • 最適化

富士ゼロックス株式会社

 様に導入

全社のコミュニケーション改革を推進するために Office 365 を導入
意思決定のスピードを大幅に向上、個人の知識・経験・スキルを 全社で有効活用することをねらう

写真:富士ゼロックス株式会社

富士ゼロックス株式会社

「価値あるコミュニケーション環境」の提供を通じ、顧客の経営課題解決に貢献し続けている富士ゼロックス株式会社。同社ではそのビジネスをさらに加速するため、自らも積極的にコミュニケーション改革を推進しています。その基盤として採用されたのが Microsoft Office 365。充実したリアルタイム コミュニケーション手段の提供や、多様な機能がオール イン ワンの形でパッケージングされていること、全世界で利用可能なクラウド サービスであることなどが、高く評価されています。これによって意思決定のスピードを飛躍的に高め、個人の知識・経験・スキルを全社規模で有効活用することをねらっています。今後は Office 365 ProPlus のメリットを活かしたマルチ デバイス対応や、Enterprise Mobility Suite によるモバイル セキュリティの強化、Office Delve といった新機能を活用することも視野に入っています。

<導入背景とねらい>
顧客の経営課題解決をさらに加速するため、
自らもコミュニケーション改革に着手

写真:松田 健二 氏

富士ゼロックス株式会社
情報通信システム部
部長
松田 健二 氏

写真:日比野 元哉 氏

富士ゼロックス株式会社
情報通信システム部
ICT活用推進グループ
グループ長
日比野 元哉 氏

経営層はもちろんのこと、営業現場やサービス提供現場でも、意思決定や合意形成を迅速化すること。これはスピードがビジネスの成否を決定する現代において、重要な課題の一つだといえます。この課題に対応するため、Office 365 を活用したコミュニケーション改革を推進しているのが、富士ゼロックス株式会社 (以下、富士ゼロックス) です。

同社は日本国内に普通紙複写機を販売する目的で、イギリスのランクゼロックス (当時、米国ゼロックス子会社) と富士写真フイルム (当時) のジョイント ベンチャーとして、1962 年に設立。紙の情報を複写するゼログラフィー技術でオフィスに変革を起こすと共に、機械そのものではなく利用価値を提供するレンタル方式のビジネス モデルを世に先駆けて導入するなど、先進的な取り組みを積極的に進めてきました。近年では ICT を活用し、複合機と融合したソリューションなども提供。企業内のコミュニケーションはもちろんのこと、企業間をまたがったコミュニケーションも支援することで、顧客の経営課題を解決し続けています。

またビジネスのグローバル展開も積極的に推進。アジア・パシフィック地域は富士ゼロックスの直販体制、欧米は米ゼロックスコーポレーションとの提携によって、顧客のグローバル ビジネスをサポートしています。1 兆 1,889 億円に達する 2014 年の売り上げのうち、実に 49% が海外売り上げとなっているのです。

「このようなビジネスをさらに加速するには、全世界の社員がいつでもどこででもコミュニケーションを取れる体制が不可欠です」と語るのは、富士ゼロックス 情報通信システム部 部長の松田 健二 氏。これまでもメールによる情報伝達や社内におけるドキュメント共有は行われてきましたが、それをさらに推し進める必要があると説明します。「これからのコミュニケーションで重要になるのは "制約からの解放" だと考えています。空間的な制約はもちろんのこと、時間的な制約や組織の枠を超えた繋がりが求められます。そのためには目的や状況に合わせて、最適な手段をシームレスに活用できる環境が必要です」。

しかし「最近のコミュニケーション手段は、メールに偏っていました」と振り返るのは、富士ゼロックス 情報通信システム部 ICT活用推進グループ グループ長の日比野 元哉 氏。メールにはいつでも手軽に送受信できるというメリットがありますが、リアルタイムを必要とするコミュニケーションには適していないと指摘します。「これからはメールのような非同期な手段に加え、同期型のコミュニケーション手段も使いやすい形で用意しなければなりません」。

その一方で、2000 年代初頭に導入されたオンプレミス型のメール サーバーの老朽化に、どのように対応するかも大きな課題になっていたと言います。新たな基盤を構築するのであれば、最新機能を迅速に調達できるクラウド型へとシフトしたいという意向も、情報通信システム部内では強くなっていたと日比野 氏は語ります。

これらのニーズに対応するため、富士ゼロックスでは 2013 年夏に、新たなコミュニケーション基盤構築に向けた検討を開始。同年 12 月に Office 365 の採用を決定します。そして 2015 年 6 月までに国内拠点、同年 11 月には海外拠点への展開を完了。5 万人を超える社員のコミュニケーションを大きく変革しつつあるのです。

<導入の経緯>
3 つの理由から Office 365 を採用、
ツール導入だけではなくその活用ルールも明確化

写真:藤城 博之 氏

富士ゼロックス情報
システム株式会社
インフラサービス
技術統括部
C&Cサービス技術部
グループリーダー
藤城 博之 氏

写真:名村 美奈子 氏

富士ゼロックス株式会社
情報通信システム部
ICT活用推進グループ
名村 美奈子 氏

Office 365 が採用された理由は大きく 3 つあります。第 1 は Skype for Business によって、リアルタイムなコミュニケーションが行いやすいことです。

「検討の最初の段階で、社内のコミュニケーション ツールの利用状況を調査したのですが、想定以上に内線電話は使われていないという状況でした」と言うのは日比野 氏。電話システムを構成する PBX や IP セントレックスは既に老朽化しており、利用者のニーズにマッチしなくなってきていたのです。その一方で海外拠点では、2012 年から内線電話に替わり、Skype for Business の前身とも言える Microsoft Lync 2010 の活用が広がっていたと振り返ります。「これなら利用者のニーズに応えることができ、経済性も高いと判断しました。また電話機能を取り込むことができ、ユニファイドな形で使えることも高く評価しました」。

第 2 の理由は、Skype for Business だけではなく、メールやスケジュール共有、ポータルなどの機能も、オール イン ワンの状態でパッケージングされていることです。また Office 365 ProPlus を活用することで、Office 製品の更新も容易になります。しかも使い慣れた Office のユーザー インターフェイスで利用できるため、すぐに使いこなせるのも大きな魅力だと日比野 氏は説明します。「実は他社のグループウェアも検討の対象だったのですが、操作のデモを見て、ユーザー インターフェイスが Office と異なる点に戸惑いを感じました。Office との互換性にも疑問があり、社員全員が直ぐに使いこなすことは難しいだろうと思いました」。

第 3 の理由はクラウド サービスとして提供されていることです。クラウドのアプリケーションである Office 365 を採用することで、常に最新の機能を利用でき、ビジネスの環境の変化に対しスピーディにシステムの構築を進めることができるようになりました。社内だけではなく、外出先や海外拠点でも、シームレスに活用でき、グローバルの社員全員が同じコミュニケーションのツールを使う環境を提供できると考えたからです。

Office 365 の設計と環境構築では、マイクロソフト コンサルティング サービス (MCS) が利用されています。これによって導入時に直面していた課題を解決できたと、導入を担当した富士ゼロックス情報システム株式会社 インフラサービス技術統括部 C&Cサービス技術部 グループリーダーの藤城 博之 氏は説明します。「今回のプロジェクトは長期的な取り組みになるため、オンプレミス システムとクラウド サービスが共存する "クロス プレミス" での運用が避けられません。このような環境でどのような制約が生じ、それをいかにして回避するのか、MCS のコンサルタントは真摯に対応をしてくれました。これによって導入前の不安を解消できました」。

運用段階では Premier サポートを活用。富士ゼロックスでは以前から数多くのマイクロソフト製品を利用しており、オンプレミス システムの Premier サポートを利用してきました。今回はこれに加え、クラウド サービスでのサポートも追加しているのです。

「Premier サポートでは、富士ゼロックスを担当する TAM (Technical Account Manager) が、重要な役割を果たしてくれました。製品サポートだけにとどまらず、ユーザー目線で課題に取り組み、最適な解決策を見出してくれたのです。これは一般的な製品サポートとは大きく異なる、マイクロソフトならではの特長だと思います」 (藤城 氏) 。

Office 365 の社内展開の段階では、各組織でコミュニケーション改革推進担当者と Office 365 導入推進担当者を選出し、全国の 10 を超える拠点で説明会を開催。その後は、改革の意義やツール活用方法を説明する社内教育を、集合研修とオンライン教育で実施しています。このオンライン教育には Skype for Business が活用されています。

これと並行して、コミュニケーションのあるべき姿に関するルールやマナーの策定と、その定着を目指した活動も行われています。「富士ゼロックスでは、このフェーズを "コミュニケーション改革 1.0" と呼んでいます」と説明するのは、富士ゼロックス 情報通信システム部 ICT活用推進グループの名村 美奈子 氏。そのルールの基本的な考え方を、次のように説明します。

「まずコミュニケーションの相手の状況を Skype for Business のプレゼンス機能でチェックし、コミュニケーション可能な状態か否かを確認します。そのうえで、簡単なやり取りですむのであればインスタント メッセージ (IM) 、直接音声で対話したいのであれば Skype for Business の音声通話、資料を共有する必要があれば Web 会議と、必要に応じてツールの "使い分け" をしていきます。もちろんプレゼンスが正しく表示されるよう、スケジュールをきちんと登録することも重要なルールの 1 つです」。

2015 年 11 月には "コミュニケーション改革 2.0" もスタート。ここでは SharePoint Online を活用した "表出と互助" が、主要なテーマになっていると名村 氏は続けます。

「 "表出" とは、社員 1 人 1 人の過去の業務経歴や現在の業務内容、得意分野といったプロファイルを社内に公開することであり、これによってだれがどのような知識・経験・スキルを持っているのか、Know Who のしくみを作り上げることができます。それらの多様性をお互いに提供し合い、仕事を支援しあうのが "互助" です。これによって個人が持つ知識・経験・スキルを、全社規模で有効活用できるようにすることを目指しているのです」。

<導入効果>
意思決定の速度が向上し知識・経験・スキルの共有も拡大、コミュニケーション改革により、
会議の開催がフレキシブルになり合意形成が迅速化、営業部門では顧客へ提案がさらにスピード アップ

「IM によるチャットや Web 会議によって、リアルタイムなやり取りが容易になり、コミュニケーションのスピードが圧倒的に速くなりました」と日比野 氏。事前にプレゼンスを確認できるため、休暇取得者へのメールや離席者への電話が不要になり、コミュニケーションの効率化に寄与していると言います。

その一方で会議のプロセスが大きく変わりました。たとえば、マーケティング部門では開発や営業など複数の部署と会議を行う機会が多く、以前はその日程調整をメールのやり取りで行っていたため、開催日時の決定まで、場合によっては 1 日、2 日かかることもありました。しかし現在では、スケジュール共有によって参加者の空き時間がすぐに把握できるため、その日のうちに調整できると言います。

会議の進行中も、その場で資料を共有しながら編集を進める、会議のメモを Microsoft OneNote で記録する、過去の議事メモを整理して保管・管理する、会議で決まった To Do の項目を Outlook のタスクとしてスケジュールにその場で反映する、といったことが可能になっています。その結果、会議による意思決定や、それに基づくアクションも、スピードアップしているのです。「Web 会議なら遠隔地にいる人も手軽に参加できます。新しい商品への想いを営業の方に伝えたい場合には直接出向いてフェイス トゥ フェイスで話をしますが、その後の事務連絡は Web 会議で行うことが増えています。これによって移動時間を他の業務に回すこともできるようになりました」とマーケティング部門の担当者は語ります。

また名村 氏は、「社外の人が Web 会議に参加しやすいことも、Office 365 の大きな特長」だと指摘します。専用クライアントを導入していない端末でも、Web ブラウザーで利用できるからです。顧客やパートナーと Web 会議を行うケースも増えていると言います。コミュニケーション改革 2.0 によって、社員どうしの相互支援も、ダイナミックな形で進みつつあります。

営業部門の営業担当は、「入社 1 〜 5 年目の若い社員で構成される支店で新規開拓の営業活動を行っていますが、お客様との商談の中で、すぐに回答できない質問をいただくことも少なくありません」と語ります。以前は社内に持ち帰り、自分で調べてから改めて回答する必要がありましたが、今では知識を持っている社員を見つけ出し、IM などで質問することで、その場で回答できることも増えていると言います。「提案先のお客様の状況を議論しながら、複数の社員で提案書を共同編集することも可能になりました。社内の情報を富士ゼロックス全社として共有することの大切さを、改めて実感しています」。

同社では、導入してまだそれほど期間がたってないものの、その効果はいずれ定量的な数値として現れてくることを見込んでいます。

富士ゼロックスにおけるコミュニケーション効率化の方法。相手の状況や相手との距離、コミュニケーション内容の複雑性、即時性が必要か否かによってコミュニケーション手段を使い分けることで、迅速かつ効率的なコミュニケーションが実現されています。 [拡大図] 新しいウィンドウ


富士ゼロックスでは、Office 365 を活用して、コミュニケーションのあるべき姿に関するルールやマナーの策定と、その定着を目指した活動を "コミュニケーション改革" と呼んで推進しています。[拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
コミュニケーションは価値創造の源泉、モバイル セキュリティのさらなる強化や
Office 365 の最新機能の活用も視野に入れ、今後も継続的に改革を推進

「Office 365 を導入してから、スマートフォン等を業務に本格活用したいという要望も増えてきています」と名村 氏。ニーズを見極め、将来はマルチ デバイス化を進めていくことも検討されています。「以前はデバイスごとにライセンスを購入する必要がありましたが、Office 365 ProPlus によってユーザー数 = ライセンス数となったため、マルチ デバイス対応も容易です」と指摘するのは藤城 氏。ライセンスの一元管理も容易になったため、社員数の変動に伴う使用ライセンス数の増減にも計画的に行え、最適化しやすくなったと言います。

今後はこのようなマルチ デバイス化を見据え、モバイル セキュリティをさらに強化するため、Enterprise Mobility Suite (EMS) を活用することも検討されています。また Office 365 の新機能である Office Delve なども、コミュニケーション改革をさらに推進できるツールになるだろうと期待されています。

「コミュニケーションは価値創造の源泉です」と松田 氏。その改革は、今後も継続的に進めていく計画だと言います。「全世界で 5 万人を超える社員が、いつでもどこでも最適な形でコミュニケーションが取れる Office 365 は、コミュニケーション改革の重要な基盤になっています。当社はこの経験を活かしながら、お客様の価値創造により貢献を果たしたいと考えています」。

コミュニケーション改革推進サイトのトップ画面。改革の概要や展開範囲、ルール・マナーといった情報を共有することで、コミュニケーション改革の徹底を図っています。[拡大図] 新しいウィンドウ

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