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富士通株式会社

 様に導入

Microsoft SharePoint Server で商品拡販情報システムを刷新
長期的なメンテナンス負担を最小化しながら利便性とセキュリティの向上を実現

富士通株式会社

富士通株式会社

「常に変革に挑戦し続ける」ことを企業理念に、ICT を通じたさまざまなブレーク スルーを実現し続けている富士通株式会社 (以下、富士通)。ここでは社内の営業や SE、グループ会社、販売パートナーに商品拡販情報を提供する「SARFIN」と呼ばれるシステムが、SharePoint Server 2010 によって刷新されています。約 15 年にわたって HTML ベースで運用されていたコンテンツ管理を、SharePoint Server のドキュメント ライブラリへと移行。これを Microsoft .NET Framework で開発された情報登録システムや、営業/SE 部門ポータル サイトと連携させることで、情報共有の効率化が図られているのです。セキュリティに配慮した印刷機能を実装することで情報漏えいのリスクも低減。将来は他の情報系システムでも SharePoint Server を活用することが視野に入っています。

<導入の背景とねらい>
情報共有の利便性とセキュリティ向上のため
15 年間使い続けてきた商品拡販情報システムを刷新

富士通株式会社
SBGサービスセンター
共通サービス統括部
統括部長
山田 勇造 氏

富士通株式会社SBGサービスセンター共通サービス統括部部長(情報共有/インフラ運用サービス担当)北條 竜 氏

情報共有をいかにして円滑に進めていくか。これはすべての組織に共通する課題です。情報発信の負担をできるだけ軽減することと、情報利用者の利便性を向上させることは、そのための必須条件です。しかしシステムを細かく作り込んでしまうと、長期的なメンテナンス コストが増大する危険性があります。また最近では単独の企業内だけではなく、グループ会社や協力会社との情報共有が求められるケースも増えています。

このような課題に対応するため、「SARFIN」と呼ばれる商品拡販情報システムを、SharePoint Server 2010 で刷新したのが富士通です。

SARFIN は 1995 年に運用がスタートした、Web ブラウザー ベースの情報共有システムです。1995 年といえばインターネット技術を活用した「イントラネット」の黎明期であり、SARFIN はまさにその先駆けだったのです。ここで提供されている情報の内容は、ハードウェア・ソフトウェア・サービスの商品情報、販売に関するルールなど多岐にわたります。これらの情報は社内の営業や SE はもちろんのこと、グループ会社や販売パートナーにも、利用者権限に基づいたセキュリティをかけたうえで提供されています。

「富士通の商品は年ごとに増加していき SARFIN 利用者は多くの情報の中から必要な情報を取捨選択する必要がありました。また、必要な情報を捕まえ損ねないように、常にウォッチし続けなければなりません」と振り返るのは、SBGサービスセンター 共通サービス統括部 統括部長の山田 勇造 氏です。「検索機能が不十分なため、情報利用者の利便性にも問題がありました」。

「また、掲載コンテンツの精度が維持されていないことに起因する問題、たとえば新旧の情報が混在していることにより、どれが最新情報か精査するにも手間がかかっていることが問題でした」と指摘するのは、SBGサービスセンター 共通サービス統括部 部長の北條 竜 氏です。たび重なる社内の組織変更や人事異動に対しコンテンツの登録部門のトレースが追いつかず、最新の問い合わせ窓口を探す手間が生じるケースも少なくありませんでした。

さらに、SBGサービスセンター 共通サービス統括部の廣瀬 智子 氏は「情報表示にはセキュリティがかかっていますが、印刷物に対してはコントロールが十分とはいえない状態でした」と話します。

これらの問題を根本から解決するため、富士通は 2008 年 11 月、SARFIN の刷新に向けた取り組みに着手するのです。

<SharePoint Server 適用のポイント>
SharePoint Server の機能性と使い勝手を高く評価
全社方針としてもマイクロソフト製品の活用を積極化

富士通株式会社SBGサービスセンター共通サービス統括部廣瀬 智子 氏

まず最初に SARFIN の課題が洗い出され、その実現方法の調査が進められていきました。そして 2009 年 5 月に、Java によるアプリケーション開発が検討されます。しかしこの方法は採用されず、2009 年 10 月に SharePoint Server 2010 の導入が決定します。その理由について山田 氏は「オーダーメイドにはオーダーメイドのすばらしさがありますが、メンテナンス コストがかかるという問題点があります」と説明します。

業務処理へのきめ細かい対応が必要なシステムはオーダーメイドが向いていますが、SARFIN には特別な業務処理はありません。必要なのは情報発信者に負担がかからず情報を登録できることと、その情報を利用者が簡単で効率的に取得できることです。「ベーシックな機能を最小限のメンテナンスで、きちんと使い続けられることを重視しました。そのためには SharePoint Server の採用が最適だと考えたのです」。

SharePoint Server の採用では、全文検索機能やコンテンツ管理機能の実装、カスタマイズ性も高く評価されました。「SharePoint Server にはさまざまなパーツが用意されています」と廣瀬 氏。「機能を追加する場合でも、これらのパーツを活用すれば高い生産性を発揮できます」。

これらに加えマイクロソフト製品の統一されたユーザビリティ (使い勝手) も、SharePoint Server 採用を後押ししたと北條 氏は指摘します。富士通ではこれまでにも Microsoft Office などを使っており、SharePoint Server なら新システムに移行したときも、慣れているインターフェイスのためユーザーの負担が少ないと考えられたのです。

さらにもう 1 つ注目したいのが、富士通グループの社内 IT を統括する部門が「これからのコミュニケーション基盤にはマイクロソフト製品を積極活用する」という基本方針を打ち出していることです。SARFIN における SharePoint Server 採用はこの基本方針にも沿ったものであり、「社内システムを今後どう作るべきか」という問いに対する、1 つの具体的な解答であるとも言えます。

システム構築が始まったのは 2010 年 4 月。

情報登録システムは .NET Framework で開発され情報入力のための専用エディターも含まれています。情報発信者はこのエディターで発信する情報を入力し、登録処理を行います。登録されたコンテンツのデータは Microsoft SQL Server に格納され、SharePoint Server からも直接アクセスされます。このように独自開発されたアドオンとの連携が容易な点も、SharePoint Server のメリットであると評価されています。

旧システムからのデータ移行は 2010 年 10 月にスタート。2010 年 12 月には運用テストが行われています。そして 2011 年 1 月に新 SARFIN の本格運用を開始。約 200 名に上る情報発信者から約 27,000 人の情報利用者に対して、商品の拡販情報を発信する基盤として活用されています。

<システムの概要>
ポータルとの連携で利便性を向上
印刷物による情報漏えいリスクも低減

システム構成は図 1 に示すとおりです。

Web フロントエンドには 4 台の Web サーバーに SharePoint Server 2010 が配置され、Web サービス、Web アプリケーション サービス、検索クエリ サービスが動いています。

バックエンドにはクラスタ構成で 2 台のデータベース サーバー (1 台は運用系、1 台は待機系) があり、コンテンツとメタ データを格納し管理しています。

また、ドメイン コントローラーの役割を担うサーバーとしてアクティブディレクトリ サーバーと、インデックスの生成処理および各 WFE へのインデックス ファイルの配信を管理するインデックス サーバーが動いています。

図 1: システム構成図

図 1: システム構成図 [拡大図] 新しいウィンドウ


図 2 はシステムの利用イメージです。情報登録者は「SARFIN コンテンツ登録系システム」を使用して、コンテンツの登録/編集とコンテンツ管理を行います。コンテンツ データはメタ データと共にコンテンツ DB に格納され、承認者による承認を経て公開されます。メタ データには情報発信元や公開日などのデータのほか、商品の種類やコンテンツ種別、公開先 (閲覧可能者) の指定、公開ステータス、対象地域、対象業種といったタグ情報が含まれています。

図 2: システム機能概要

図 2: システム機能概要 [拡大図] 新しいウィンドウ


登録者の人事異動が発生した場合には、人事データベースの情報を元に登録者に登録情報の変更を促します。登録者はコンテンツごとに登録者情報の変更が可能です。また当該商品の販売終息などによってコンテンツそのものが無効になった場合には、削除するのではなく登録者がその理由を記述し、コンテンツの「無効」タグを設定します。これによって利用者はひとめで情報が無効になっていることがわかるようになります。

コンテンツの新着情報は、SARFIN 以外に営業/SE部門ポータル サイトへも配信をします。営業/SE 部門ポータル サイトは既に個人ごとのパーソナライズを行っているので、利用者は自分の個人タグを設定しておくことで、SARFIN で公開された新着情報を、パーソナライズされた形で営業/SE 部門ポータル サイト上に表示させることができます。情報のパーソナライズは、コンテンツのメタ データに含まれるタグ情報と、個人タグをマッチングさせることで実現しています。また検索は全文検索とタグ情報を指定した検索をサポートしています。

営業/SE部門ポータル サイトとの連携することで、利用者の利便性向上に貢献しています。ポータル連携を始めて 4 割を超える利用者がポータル経由でアクセスしていると言います。

廣瀬 氏はまた、次のようにも語ります。「印刷のセキュリティ強化については Web ブラウザーの印刷機能を無効化し専用の印刷ボタンでしか印刷できないようにしました。印刷物の背景には "社外秘" の情報である旨の印が目立つように印刷され、併せて印刷者情報が記録され、万が一誤って情報が流出しても記録されている印刷者情報から追跡できるようになり、セキュリティの向上が図れました」。

「15 年も使い続けてきたシステムを刷新したばかりなので、まだ使い方に慣れていない利用者も少なくありません」と北條 氏。しかし使い慣れてしまえば、利便性は間違いなく高まるはずだと言います。

<今後の展望>
利用分析の実施でさらなる利便性向上へ
SharePoint Server 活用領域の拡大も視野に

「SARFIN を刷新することで、タグを活用した情報管理という新たな手法が開拓できました」と山田 氏。このしくみは今後、他のシステムにも展開していきたいと言います。「社内には他にもさまざまな情報があります。これらのコンテンツ管理も SharePoint Server で行うようにすれば、エンタープライズ サーチ機能で複数システムに横断的にアクセスできるようになり、利便性はさらに高まるはずです」。

利用分析を行うことで、使い勝手を向上させていくことも検討されています。「SharePoint Server には充実した分析機能が備わっています。これらを最大限に活用することで、こまめに分析を繰り返していきたいと考えています」 (北條 氏)。

富士通はマイクロソフトとの協業を強化しており、新しい SARFIN におけるマイクロソフト製品活用の経験が、顧客に対するより良い提案に結びつく可能性もあります。今回行われた SARFIN の刷新は、富士通のソリューション ビジネスにおけるリファレンス事例の 1 つとしても、重要な意味を持っているのです。

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