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導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • コミュニケーション

福岡工業大学

 様に導入

学生用メール システムを Microsoft Office 365 Education に移行。
最先端のクラウド サービスの活用で、学生の情報リテラシーの底上げと就業力向上を目指す。

福岡工業大学

福岡工業大学

2013 年に創立 50 周年を迎えた福岡工業大学では、情報処理センターを中心に、最先端の ICT 機器や設備の活用による、情報教育に力を注いできました。メール サーバーは学内で運用してきましたが、ヘルプ デスク業務の強化によるサービスの向上を目指して、サーバー管理業務の軽減を計画。学生用メール システムをクラウド サービスに移行することにしました。福岡工業大学では複数の SI ベンダーからの提案を比較検討した結果、SCSK株式会社が提案した Microsoft Office 365 Education を導入することにしました。Office 365 の認証は Active Directory フェデレーション サービス (ADFS) 2.0 で行い、従来から利用していた複数の認証基盤と連携することでシングル サインオンを実現しました。これらは Microsoft Hyper-V の仮想プラット フォーム上に構築、Microsoft System Center 2012 で統合管理されており、2013 年 9 月末から稼働を開始する予定です。

<導入の背景とねらい>
情報教育のため、最新の IT 設備とシステムを導入。
教育機関向け総合契約も活用

松尾 敬二 氏

福岡工業大学
工学部電気工学科
教授兼情報処理センター長エクステンションセンター長
松尾 敬二 氏

中島 良二 氏

福岡工業大学
情報処理センター管理課 課長中島 良二 氏

福岡工業大学は昭和 38 年 (1963 年) に創立され、今年で創立 50 周年を迎える大学です。建学の綱領として、「学徒の品性陶冶と教養の啓培・宇宙の真理探究と社会貢献・世界に雄飛する人材育成」を掲げ「For all the students~すべての学生生徒のために」を経営理念とし、「Just Do It! (即実行する)」を行動規範としています。そして、21 世紀を支える「情報」「環境」「モノづくり」の 3 つの領域で教育研究力を発揮し、一人ひとりの学生に対する丁寧な教育と学修支援、就職支援日本一を目指して、マスタープラン (中期経営計画) と各部門の PDCA による内部質保証システムを軸に活動を展開しています。
同大学は理系の工学部、情報工学部、大学院工学研究科、短期大学部、そして文系の社会環境学部および大学院社会環境学研究科からなり、全学で 4,700 人余りの学生が学んでいます。卒業後に社会に貢献できる人材の育成を図っており、その教育方針や育成内容および教育・経営改善の取り組みは産業界から高く評価され、毎年の就職率や大学評価の高さとして実を結んでいます。
福岡工業大学では価値ある人材には情報活用能力が欠かせないとの考えから、最先端の ICT 機器や設備の活用による、情報教育に力を注いできました。福岡工業大学 工学部 電気工学科 教授兼情報処理センター長 エクステンションセンター長 松尾 敬二 氏が語ります。

「情報教育では、常に先端的で特長あるサービスを活用していきたいと考えています。その中心的役割を担うのが情報処理センターで、教育および研究を支援する機関として、コンピューター システムの適正かつ効率的な利用を行うための全学共同利用施設として設置されています」。

情報処理センターの教育システムでは、6 教室に約 460 台の PC を配置し、ハードウェアとソフトウェアをできるだけ統一することで、操作方法の違いなどの負担を減らすと共に、教室を無駄なく運用できるようにしています(平成 25 年秋に全面刷新)。さらに、2000 年から、マイクロソフトと「包括ライセンス契約 (現「マイクロソフト教育機関向け総合契約: OVS-ES)」を契約。学生、教職員ともに、Microsoft Office など主要アプリケーションの最新バージョンを利用することが可能です。福岡工業大学情報処理センター管理課 課長 中島 良二 氏が説明します。

「20 年ほど前に学内ネットワークを整備し、教員には PC 端末を配布しました。その後、ネットワークは世代も変わり、現在では基幹部分に 10Gbps 以上の Gigabit Ethernet を利用した学内総合情報ネットワーク システム (FITNeS) が構築されています。そして、各教室には情報コンセントが引かれ、無線 LAN、有線 LAN が自由に使えるフリー スペースでは、タブレット端末も使うことができます」。

<導入の経緯>
「For all the students」の理念に基づき、
メール システムの Office 365 移行を決定

今まで福岡工業大学では、メール システムを学生用、教職員用の双方ともオンプレミスで運用してきました。学生用メール システムは約 4,700 人の学生が教員とのコミュニケーションや就職活動、課外活動などあらゆる活動で利用する重要なインフラの 1 つです。メール システムは、メール サーバーと迷惑メール/マルウェア対策用アプライアンス サーバーのセットで運用されてきましたが、利便性の改善とサービス継続性の向上、および、運用に伴う管理負荷の抜本的な見直しが課題になっていました。福岡工業大学 情報処理センター管理課 係長 藤原 昭二 氏が語ります。

藤原 昭二 氏

福岡工業大学
情報処理センター
管理課 係長
藤原 昭二 氏

田中 修平 氏

SCSK株式会社
プラットフォームソリューション事業部門九州プラットフォーム事業本部営業第一部 営業第二課
田中 修平 氏



「情報処理センターで行っている業務の 50% はヘルプ デスク業務で、その割合は年々増加しています。かつてはセンター施設内で提供する情報基盤が中心だったので、教員も学生も施設を訪れて利用していました。ところが、現在では分散化と高度化によって、施設内にとどまらず、提供するサービスも増加しています。そのため、問い合わせ内容も多様化し、電話対応ではわからないことも多く、ほとんどが直接講義室や研究室に出かけることになります。また、個人所有のパソコンやスマート デバイスを、さまざまな学内サービスで活用する際の利用方法やトラブルへの対応も増加しています。よりよいサービスを提供していこうとすると、ヘルプ デスク業務が増えることは確実ですが、限られた人数の中での運用となるため、サーバー管理業務を軽減していきたいと考えました」。

そうした中で、福岡工業大学では学生向けメール システムのクラウド サービスへの移行を決めて、2012 年 6 月頃から、導入サービスの検討を始めました。

「クラウド サービスの利用を決めたのは、最先端の IT サービスを学生に提供したいと考えたからでもあります。ですから、スマート デバイスなどの利用も含めて、学生がより有効にクラウド サービスを使えるようにするために、いかに手厚いサポートをしていくかに主眼を置いて、検討作業を進めました」 (松尾 氏)。

そして、クラウド サービスへの移行によって、経営理念として掲げる「For all the students~すべての学生生徒のために」に基づき、情報リテラシーの底上げや就業力の向上を実現することを目標にしました。その上で、クラウド サービスの活用とシングル サインオンでの認証や、管理系サーバーの仮想化などを主な要件として、導入にあたる SI ベンダーの選定作業に入りました。また、調達においては連携を考慮し、情報処理センター新教育システムに含む共同調達としました。
選定にあたっては、ITIL (コンピューター システムの運用、管理業務に関する体系的な指針) のガイドラインを参考にして、まず さまざまな IT ベンダーに RFI (情報提供依頼書) を出し、情報を提供してもらいました。それに基づいて、RFP (提案依頼書) を作成し 11 社に提案を依頼しました。最終的に 3 社に絞り込み、検討の結果、SCSK株式会社の提案がベストと判断、導入インテグレーターに選びました。
SCSK株式会社 プラットフォームソリューション事業部門 九州プラットフォーム事業本部 営業第一部 営業第二課 田中 修平 氏が語ります。

「当社は 2007 年から現行システムの導入と運用管理を担当してきましたので、次期システムに必要な要件をよく理解していました。また、福岡工業大学様がマイクロソフト教育機関向け総合契約を利用していることから、学生が普段から使い慣れている Office とも親和性の高いOffice 365 Education をクラウド サービスとして提案しました。そして、サーバー仮想化の強力なプラットフォームとして Hyper-V を採用して、シングル サインオン サービスやアプリケーション管理を行うサーバーを仮想化し、その仮想サーバー群を System Center 2012 で統合管理する形としました」。

<システム概要と構築>
認証基盤と ADFS の連携で
スマートなシングル サインオンを実現

福岡工業大学が Office 365 Education を選んだ大きなポイントは、サービスに国内法が適用され、万一係争が発生しても国内法で対処できることと、マイクロソフトの充実したサポート サービスが受けられることでした。

「Office 365 Education はクラウド メール サービスとしては後発でしたが、急速にサービス レベルを向上させてきています。セキュリティ レベルも高く、コンプライアンス面でもしっかりした企業向けのサービスであり、導入できると考えました」(中島 氏)。

また、Microsoft Exchange がメール インフラとして、グローカル企業 (グローバルとローカルを組み合わせた造語) で多くの採用実績があることから、学生が同じユーザー インターフェイスの Microsoft Exchange Online を使うことで、就業力の向上に役立つという判断をしました。さらに、Office 365 Education と統合されて提供されるようになった Microsoft SharePoint Online と Microsoft Lync Online にも大きな期待を寄せています。

「SharePoint Online は教員と学生の間のコミュニケーション、Lync Online は文部科学省が進めている大学間の連携や、福岡工業大学が学術交流、学生交換協定を締結している 6 か国 14 大学との国際交流に役立つと考えています」(藤原 氏)。

春田 直樹 氏

SCSK株式会社
プラットフォームソリューション事業部門九州プラットフォーム事業本部営業第二部 技術第二課 シニアエンジニア
春田 直樹 氏

福岡工業大学では RFI の段階から、シングル サインオン サービスのより一層の拡大を方針として決めていました。そこで、Active Directory や学内無線 LAN、教職員用や学生用などさまざまな学内の認証基盤、そして全国の大学、研究教育機関などの学術情報基盤として運用されている学術情報ネットワーク (SINET4) との連携を要件としてあげていました。認証基盤について、SCSK株式会社プラットフォームソリューション事業部門 九州プラットフォーム事業本部 営業第二部 技術二課 シニアエンジニア 春田 直樹 氏が説明します。

「私たちは複数ある認証基盤をすべて統合するという提案をしました。また BCP 対策の観点から見ると、認証基盤がオンプレミスにあるシステムでは学内の計画停電や障害の影響を受けてしまいます。そうなった場合、Office 365 Education のサービスが動いていても、認証ができず、メールを使うことができません。そこで、大学外のデータ センターにバックアップ システムを構築し、万が一大学内の認証基盤が停止しても、メール サービスを継続して利用できるようにしました」。

田上 智博 氏

SCSK株式会社
プラットフォームソリューション事業部門九州プラットフォーム事業本部営業第二部 技術第二課
田上 智博 氏

「複数認証基盤の統合」と「継続したメールサービスの提供」というSCSK株式会社の提案が福岡工業大学に採用され、2013 年 1 月より導入プロジェクトが開始されました。導入プロジェクトにおいて認証基盤統合を担当した SCSK株式会社 プラットフォームソリューション事業部門 九州プラットフォーム事業本部 営業第二部 技術第二課 田上 智博 氏が当時を振り返ります。

「Office 365 Education の機能をフルに活かすには、Active Directoryとの連携が必要です。その上でシングル サインオンを実現するためには、マイクロソフト が提供する 認証基盤ソリューション ADFS 2.0 の採用が最適と判断しました。
そして、大学側からの要求仕様にあった学術認証フェデレーション (GakuNin) は『Shibboleth』認証基盤で連携させ、学内の既存サービスには、『OpenAM』認証基盤を採用することで、それぞれに対応するサービスをネイティブに連携させました。
これらすべての認証基盤は、弊社が独自構築する統合認証管理システムを中核に連携させ、1 つのサービスで認証を行えば、すべてのサービスが利用できるシングル サインオン サービスの提供が可能になりました」。

現在構築中のシステムは、Office 365 Education のクラウド メール サービスを利用するにあたって、認証基盤を Hyper-V の仮想化プラットフォーム上で System Center 2012 によって、統合管理しています (図)。さらに、認証基盤の一部と学生用ストレージのバックアップは SINET4 が収容されている大学外のデータセンターに構築するプライベート クラウド上で運用します。

<導入効果と今後の展望>
Office 365 の機能を最大限に活かし、
コミュニケーション ツールとして活用を図る

Office 365 Education によるクラウド メール サービスは、2013 年 9 月末から稼働を開始する予定です。福岡工業大学では メール サービス をよりよい状態で提供できるようにすると共に、情報教育や学部学科の授業でより効果的に活用していく計画です。その上で、SharePoint Online や Lync Online を使った、グループ学習などの新しい教育方法にも取り組んでいきます。そして、その実績の上に、教職員用メール システムも Exchange とクラウドによるハイブリッド システムも含めた、オンプレミスからの切り替えを視野に入れて運用していく予定です。
また、今年で 13 年目になるマイクロソフトとの教育機関向け総合契約は、学生の情報活用能力の向上や資格取得に大きな力を発揮していると評価しています。

サービス構成図

福岡工業大学が採用したシステム概要図 [拡大図] 新しいウィンドウ

「大学で推奨ノート PC の販売を始めたのですが、当時は PC が高価で、アプリケーションの購入費用まで学生に負担させるのは無理でした。教育機関向け総合契約であれば、学生の負担も少なくて済みますし、大学に設置する PC にも導入できます。またバージョンアップにも対応できるため、常に最新版を使えます。今年度からは Office と Microsoft Visual Studio に加えて、Microsoft Visio も使えるようになり、学生、教職員ともに大変好評で教育研究活動の発展と改善に活かされています」 (藤原 氏)。

福岡工業大学では今後、Office 365 Education の機能を活かして、コミュニケーション ツールとしてのより一層の活用を図ると共に、オンプレミスのシステムについても、移行可能なサーバーを Windows Azure に移行させることも検討していく考えです。

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